欠勤控除とは
欠勤控除とは、従業員が遅刻や早退、欠勤により労務を提供しなかった場合、労働していない日数や時間分の賃金を給与から差し引くこと。「勤怠控除」と表すことも多い。
欠勤控除は「ノーワーク・ノーペイの法則」に基づいている。ノーワーク・ノーペイとは、労務を提供しない場合には企業側がその分の賃金を支払う義務がないという考え方である。
ただし、従業員が遅刻や早退、欠勤をした場合でも、従業員があらかじめ有給休暇を申請し、認められていれば欠勤控除の対象にはならない。身内が亡くなると「忌引き休暇」を取得できる企業も数多くあり、この場合も欠勤にはあたらない。
また、従業員がケガや病気で入院するなどの事由で欠勤した場合、会社側からは賃金が支給されないが、健康保険により給与の3分の2相当が「傷病手当金」として補償される場合がある。
欠勤控除を適用するケース、適用しないケース
欠勤控除が適用されるのは、単なる寝坊での遅刻はもちろん、体調不良で欠勤したときや、家族の都合などで遅刻あるいは早退したときなど、事由が従業員側の責によるものです。インフルエンザになり、周囲に感染が広がらないよう欠勤した場合も、欠勤控除の適用範囲内です。
ただし、会社側から「インフルエンザであれば出勤はやめてください」と命令された場合は、休業手当の対象となる可能性があります。休業手当とは、休業の事由が使用者の責によるとき、賃金の60%以上が保障されるものです。経営不振による休業や、資材不足により操業できないため休業になるなど、会社都合の休業は欠勤控除の適用にならず、休業手当の対象になります。
欠勤控除の計算方法
欠勤控除の計算方法は、法律で定められているわけではありません。一般的には、以下のような方法で控除額を割り出します。
【欠勤の場合】
欠勤控除の対象月の給与額÷1カ月の所定労働日数×欠勤日数
仮に、月給が30万円で、月に平均して20日間働いており、1日欠勤したとすると
30万円÷20日間×1 = 1万5000円が、欠勤控除として給与から差し引かれます。
【遅刻、早退の場合】
欠勤控除の対象月の給与額÷1カ月の所定労働時間数×欠勤時間数
仮に、月給が30万円で、月に平均して20日働いており、8時間勤務だった場合、1時間遅刻をすると
30万円÷(20日×8時間)×1 = 1875 円が差し引かれます。
なお、この場合「給与額」に含まれるのは、基本給のほか役職手当、資格手当、能率手当など直接労働に関わるものだけとする考え方が一般的です。扶養手当や通勤手当、住宅手当など直接労働に関わりのない手当は通常含みません。ただ、どこまでを欠勤控除の対象とするかは就業規則に明記しておかなければなりません。
[最終更新日]2023/02/16
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