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2018-08-062019/03/04

アサーショントレーニングとは?自己表現3タイプとトレーニング方法・ビジネスシーンにおける実践方法を解説!


  • 職場の人とうまくコミュニケーションがとれず悩んでいる…
  • 自己主張が苦手でいつもそんな役回りをさせられる…
  • 職場の人間関係を円滑にする高いコミュ力を身に着けたい…

このようなコミュニケーションの悩みを抱えている方は多いのでは? コミュニケーション能力をどうすれば向上させることができるのか、鍛える方法はないかと感じている方も少なくないはずです。

そこで注目してほしいのは、これから紹介するアサーショントレーニングです。アサーションとは、コミュニケーションにおいて自分と相手が共に尊重しあいながら行う自己表現法のこと。

アサーショントレーニングでコミュニケーション能力を向上させ、社内でのコミュニケーションや顧客との折衝に役立てられてはいかがでしょうか。

【アサーショントレーニングのポイント】

  • 自分と相手が尊重し合うことで職場の人間関係のストレスを軽減する
  • 自分の性格のタイプを把握した上で改善に取り組むことが大切

アサーショントレーニングとは?

アサーショントレーニングは、1950年代にアメリカで生まれた、自己主張を苦手とする人へのカウンセリング手法のことです。ストレスのない良好な人間関係を築くために、相手に不快な思いをさせず自分の気持ちを素直に表現することを目指します。

「アサーション(assertion)」は、「主張」という意味の英単語です。その言葉が示す通り、「自己主張」するためのトレーニングを行います。

アサーショントレーニングを行う目的

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仕事をしていると、度々コミュニケーションの問題が浮上します。職場では他人の噂話や、会社への不満を耳にすることも多いのではないでしょうか?

そのような職場の雰囲気や風通しの悪さは、組織の情報伝達不良や、生産性の低下にまで影響することがあり、会社の業績を左右する問題にまで発展しかねません。このような問題を回避するために、日頃からコミュニケーションを円滑にし、健全な職場環境を維持していく必要性があります。

では、人がストレスを感じるのはどのようなときでしょうか?

そのひとつは、自己表現が阻害される時です。本当は忙しくて、他の仕事は受けられない難しい状況なのに、仕事を頼まれてしまい断りきれない時などはストレスが溜まってしまいますよね。

アサーショントレーニングは、そのような職場環境で生じるストレスを軽減させることが目的です。トレーニングを行うことによって、自分と相手が尊重しあえるようになります。

また双方が無理のないコミュニケーションを心がけることによって、良好な人間関係、職場環境を築くことができるのも、アサーショントレーニングのもたらす効果です。

毎日顔を合わせるのも億劫だ、その人といると互いに意識してしまい仕事が捗らないなど、職場や顧客で苦手とする人にお悩みの方もコミュニケーション不良を克服できるはずです。

そもそも悩むという思考は、その否定的な印象に反して、その人とコミュニケーションをとりたいという願望の現れでもあります。そのような隠された自分の心と正直に向き合い、前向きに考えることがアサーションへの第一歩となります。

自己表現の3つのタイプ

アサーショントレーニングの具体的な方法を解説する前に、自己主張のパターンを覚えておきましょう。

自己表現は、主に3つのタイプに分類されます。

アグレッシブタイプ

相手よりも自分を優先するタイプです。「アグレッシブ(aggressive)」は、「攻撃的な」という意味。

アグレッシブタイプの人は、自分の意見をはっきりと相手に伝えられる反面、相手の気持ちを無視したり、自分の考えを押し付けてしまいがちになります。

自分が一番になりたい、勝ちたいという競争心が強すぎるため、わがままな行動をしたり、時に自分が優位になるように相手や周りを操作して巻き込んでしまうのが特徴です。

自己主張が強すぎるがゆえに、周囲と軋轢を起こしてしまうこともしばしば。

ノン・アサーティブタイプ

ノン・アサーティブタイプは、自分よりも相手を優先してしまうタイプのことをいいます。「アサーティブ(assertive)」は「自分の意見をはっきり述べる」という意味で、否定の「ノン(non-)」がつくことで反対の意味に、

人のよさとは裏腹に、自分に自信が無く、いつも相手の態度や気持ちを伺ってしまい自己主張ができません。そして、次第に自分の気持ちをわかってもらえないというストレスを抱え込んでしまうのがノン・アサーティブタイプの悩み。

また、他人の態度や気持ちを頼りに行動してしまうため、自ずと言い訳が多くなってしまうのが特徴です。

アサーティブタイプ

アサーティブタイプは、自分の意見を素直に表現でき、なおかつ相手の意見も尊重できる理想的なタイプのことをいいます。

その場にふさわしい表現を選んで自己主張ができ、時には衝突するような場面でも、お互いの主張を出しあって、最終的な合意に導く事ができるのが特徴です。

アグレッシブタイプの自己主張性と、ノン・アサーティブタイプの相手を尊重する性格を合わせ持ったのがアサーティブタイプ。

アサーショントレーニングでは、このアサーティブタイプを目標にしています。

アサーショントレーニングの方法

アサーショントレーニングの基本的な考え方

以下は、アサーショントレーニングを始める前に念頭に置いてほしい4つのことです。

  1. 思いを素直に表現すること
  2. 相手に対して誠実で謙虚であること
  3. 自分と相手が対等であること
  4. 自己責任の上に表現をおこなうこと

以上の事柄を頭に思い浮かべながらトレーニングを行ってください。

トレーニングのコツとして、まずはアイメッセージを使うとよいでしょう。アイメッセージとは、私を主語にして相手に気持ちを素直に伝えるトレーニング手法です。

例えば、相手に「○○をとってきて!」と頼みごとをする場合に、アイメッセージとして置き換えてみると、「私はあなたに○○をとってきてもらえると嬉しいです。」というような表現になります。

このように自己表現が相手にネガティブに伝わりがちな情報を、アイメッセージに置き換えれば、自分の気持ちを素直に表現し、かつ相手に不快な思いをさせない表現をとることができます。

いろいろな場面で使われるセリフを思い浮かべてみて、アイメッセージに置き換えて練習してみてください。

ロールプレイを使ったアサーショントレーニング実践法

次に、前述しました3つのタイプを使ったロールプレイを行います。

例えば、上司からの頼みごとに対し、断りたい場合を想定してください。そこに「断り役」「上司役」「観察役」など、3つの役柄を割り当てます。

断り役の人はアサーティブに断るように意識しましょう。上司役の人は簡単には妥協せずに、しかし、最後は妥協するようにします。観察役の人は時間を計りながら断り役の人を観察してください。

上司からの頼みごとは断りづらく、上司側も相手の気持ちに気づかずに、つい無理を強いてしまいがちになります。そのような状況を客観的に捉えるよい機会となり、より効果的なトレーニングをすることができます。

以上のような方法を使って、様々な状況、言い方などを工夫しながら、アサーショントレーニングを練習してみてください。

DESC法を使ったアサーショントレーニング実践法

アサーショントレーニングでは、「DESC法」という手法がよく使われます。4つの段階に分けて伝えるという手法で、相手に納得してもらいつつ自分の意見を主張することができます。

「DESC」は以下の4つの単語の頭文字をとった言葉です。

  1. D(Describe):描写する
  2. E(Express):表現する
  3. S(Specify):提案する
  4. C(Choose):選択する

【D(Describe:描写する)】
まずは、状況や相手の行動を客観的に描写していきます。何が問題になっているのか、どのような状況なのかを主観を交えずに描写してください。

【E(Express):表現する】
次に、ステップ1で描写した事柄に対し、自分がどう感じているのかを表現します。ここは主観で表現して構わないので、思ったことを素直に言葉にしてみましょう。

【S(Specify):提案する】
ステップ3は「提案」です。相手にどのように行動してほしいのか、具体的な解決案を提案します。

あくまでも「提案」であるので、「命令」にならないように注意してください。強い言葉で命令すると、それだけでコミュニケーションがうまくいかなくなります。

【C(Choose):選択する】
最後は、提案したことを相手が「受け入れた場合」と「受け入れなかった場合」に自分が取るべき行動を選択します。提案を受け入れてくれるとは限らないので、受け入れてくれなかった場合も必ず想定しておきましょう。

DESC法の実践例

たとえば、相手がいつも資料の提出期限に遅れるため、それを直してほしいとしましょう。

ステップ1:描写
資料の提出期限に遅れる状況を、客観的に描写します。どれくらい遅れるのか、それによって自分の仕事にどのような影響が生じているかなど。

ステップ2:表現
相手が資料の提出期限に遅れることに対して、自分がどう感じているのかを表現します。迷惑をしている、仕事が進まなくて困っているなど。

ステップ3:提案
資料の提出期限を守ってもらうにはどうしてほしいのか、具体的な解決案を提案します。期限を忘れることが多いのであればリマイダーを使う、カレンダーを共有するなど。

ステップ4:選択
上記の提案が受け入れてくれた時は問題ありませんが、受け入れてくれなかった時のことも想定しておきます。もし期限に遅れるのであれば事前に知らせてほしい、タスクが手一杯になっているなら自分が手伝う、または他の人に手伝って作ってもらうなど。

まとめ

アサーションは自分と相手が共に尊重しあいながら自己主張をするコミュニケーションスキルです。アサーショントレーニングによって、そのスキルを身に付けることは職場環境の改善や、自分自身の心の負担を軽減することに繋がるでしょう。

解説したように、自己表現のタイプは、「アグレッシブ」「ノンアサーティブ」「アサーティブ」と、3つのタイプに分けられます。自分がどのタイプに属しているかを自覚することもコミュニケーションスキルを改善するために必要なことです。その上で、アイメッセージやロールプレイを使って、アサーショントレーニングを行えば、コミュニケーション能力が向上できるでしょう。


[最終更新日]2019/03/04

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