人事でお悩みの経営者へ必読コンテンツ
人材不足が叫ばれる中、中小企業が高度な事務作業を行う優秀な人材を獲得するのは大変です。人事労務まわりにはさまざまな法改正があり、対応に追われているという企業もあるでしょう。
この記事では、特に中小企業におすすめの給与計算ソフトについて解説します。さまざまなソフトがある中で、何を導入すれば良いか分からないと悩んでいる経営者様は必読です。
給与計算ソフトを比較するときの7個のポイント
給与計算ソフトを比較するときには、自社の規模やソフト利用の目的により、以下の7つのポイントを意識してください。きっと最適なソフトが見つかります。
導入形態
給与計算ソフトには、3つの導入形態があります。インターネット上でログインして利用する「クラウド型」と、パソコンにソフトをインストールして利用する「インストール型」、自社のサーバーにシステムを構築して利用する「オンプレミス型」です。
「クラウド型」は初期費用が安いサブスクリプションタイプが主で、法改正対応などのメンテナンスは開発元の企業が行ってくれるため便利です。ただしランニングコストがかかること、インターネットに繋がっていないと利用できないことがデメリットです。
「インストール型」は一度ソフトを購入すれば追加費用がかかることはなく、インターネット環境がなくても利用できます。ただし、アップデートは手動で行なわなければなりません。
「オンプレミス型」は企業ごとにシステムを構築するため高度なカスタマイズが可能ですが、初期費用が高い傾向にあります。またくさんのパソコンがアクセス可能であることがメリットですが、これは中小企業にあっては、あまりメリットにはならないでしょう。
コスト感
インストール型であれば初期費用しかかからず、コスト感はわかりやすいイメージですが、1つのソフトをインストールできるパソコン台数が限られている場合も多いため、確認が必要です。
クラウド型の場合は利用人数に応じて課金されるシステムが主流です。人事労務に携わる人数が少ない中小企業であれば、比較的安価に導入が可能でしょう。
対応範囲
企業によって求める対応範囲が違います。給与計算ができれば十分という企業もあれば、勤怠関係の帳票出力や年末調整、社会保険の手続きまで一括で管理したいと考える企業もあるでしょう。
社員とよく話し合い、給与計算ソフトにどこまで求めるかをすりあわせましょう。
同開発元の他システムとの連携性
開発元の企業では、給与計算ソフトの他にさまざまなシステムを運用しています。例えば勤怠管理、人事情報、経費精算、採用管理などのシステムが考えられます。
これら外部システムとの連携により、労務管理の負担がさらに軽減されます。将来的にもっと事務負担を減らしたいと考えている場合は、外部システムが充実している開発元を選ぶのがいいでしょう。
サポート体制
新システムの導入時には、操作に不明点があることから業務の停滞が起こりがちです。導入前から、導入後の運用に至るまでしっかりサポートしてくれるシステムがおすすめです。
公式サイトのFAQが充実していたり、オペレーターによる電話サポートがあったりなど、サポート体制は開発元によりさまざまです。ソフトを長く快適に運用するために、サポート体制が自社に合っていると感じられるものを選びましょう。
試用期間の有無
実際に利用してみないと使いやすさや対応範囲は正確に分かりません。多くの給与計算ソフトでは、初月の運用期間を無料とすることで試用期間としています。
操作性
試用期間には、操作性をしっかり把握しましょう。実際にソフトを利用する社員に直接話を聞き、使いやすさについてアンケートするのがおすすめです。
どんなに自社に適した対応範囲であったり、コストパフォーマンスがよかったりしても、給与計算ソフトを操作する社員の反応が芳しくなければ、導入は思いとどまったほうがいいでしょう。
給与計算ソフトおすすめ7選
それでは、おすすめする給与計算ソフトの特徴やポイントについて解説します。今回ご紹介するのは、以下の7つのソフトです。
ジンジャー給与
公式サイト:ジンジャー給与
給与の自動計算、賞与や退職金の明細、源泉徴収証の発行が可能です。従業員がスマートフォンでも明細を確認できる設計で、給与計算後の手続きが便利。年末調整などの年次業務にも対応しているため、繁忙期の工数を大幅に削減できます。
人事データを管理できる外部連携システムが豊富なので、集約された人事情報を元に労務システム内外の定型業務を自動化できます。複数システムの利用により、連携工数の削減やミスのない給与計算が実現できるでしょう。
導入形態 | クラウド型 |
コスト感 | 初期費用+300円/月~×利用人数 |
対応範囲 | 給与の自動計算、賞与計算、月変算定、Web給与明細、年調業務、電子申告ファイル出力など |
外部システム | ジンジャー人事労務 (社保手続きオプション、書類配布オプション、年調収集オプションあり) ジンジャー勤怠 ジンジャーワークフロー ジンジャー経費 ジンジャー人事評価 ジンジャー人事データ分析 ジンジャーeラーニング ジンジャー福利厚生 |
サポート体制 | 全てのサービスで窓口を一括、運用後サポート支援あり |
試用期間 | 1ヶ月 |
ジョブカン給与計算
公式サイト:ジョブカン給与計算
社労士監修、実際の給与計算担当者の声をもとに開発された自動給与計算ソフトです。機能制限はありますが、無料で利用できるプランが存在します。有料プランも、人数制限なしで一律400円という安さは魅力です。
残業代や手当のルールを無制限に設定可能なので、残業代のルールが細かく分かれている企業でも対応ができます。また、他のシリーズと連携することで、毎月の勤怠情報の取得や従業員情報の更新がボタン1つで可能になります。
導入形態 | クラウド型 |
コスト感 | 1.中小規模企業の場合 400円/月 一部利用が制限される無料プランあり 【無料プランの機能制限】 ・5名まで ・ジョブカンシリーズのAPI連携、年末調整、チャットサポート利用不可 ・データ保証期間30日2.大規模(500名目安)企業の場合 別途見積もり3.他のジョブカンシリーズ利用者 特別料金/1ユーザー |
対応範囲 | 給与の自動計算、Web給与明細、振込データ出力、複数口座振込、CSVダウンロード・インポート、源泉徴収票、年末調整機能、マイナンバー管理など |
外部システム | ジョブカン勤怠管理 ジョブカン経費精算 ジョブカンワークフロー ジョブカン採用管理 ジョブカン労務HR ジョブカン会計 ジョブカン見積/請求書 |
サポート体制 | メール、チャット、電話 (チャットと電話は平日9:00~18:00) 対面導入サポートあり(有料) |
試用期間 | 30日 |
マネーフォワード クラウド給与
公式サイト:マネーフォワード クラウド給与
給与計算対象者の自動判定がなされ、前月比較機能で差分比較のチェックが簡単に行えます。また、銀行との振込連携が可能なので、給与振込がワンクリックで可能です。
連携している外部サービスが豊富で、さまざまなサービスを組み合わせることで会計や人事労務、契約書管理などのバックオフィス系業務を一挙に効率化できるのが魅力です。
導入形態 | クラウド型 |
コスト感 | 1.50名以下の企業 年額プラン:2,980円/月~ 月額プラン:3,980円/月~2.51名以上の企業 別途見積もり |
対応範囲 | 給与・賞与計算、Web給与明細、自動給与振込、他社勤怠ソフトとのAPI・CSV連携など |
外部システム | クラウド会計 クラウド連結会計 クラウド個別原価 クラウド固定資産 クラウド経費 クラウド請求書 クラウド債務支払 クラウド勤怠 クラウド年末調整 クラウド社会保険 クラウド人事管理 他 |
サポート体制 | メール、チャット |
試用期間 | 1ヶ月(一部機能のみ) |
freee人事労務
公式サイト:freee人事労務
給与計算や勤怠管理、入退社手続きなど、1つのソフトで給与計算のみならず人事労務の管理ができるのが特徴。人事労務を一部もしくは全て外部委託するサービスや健康診断、ストレスチェックを一括管理できるサービスもあり、バックオフィスの細かいところまで手が届く設定が魅力です。
なお、会社設立や販売管理を支援するサービスが充実しているのも、他にない特徴といえるでしょう。これから起業しようとしている方やこれを機に社内システムを全てIT化したいと考えている方におすすめです。
導入形態 | クラウド型 |
コスト感 | 最小5名まで2,000円/月~
6名以降1名ごとに400円/月~ |
対応範囲 | 給与計算、Web給与明細、年末調整、会計連携、マイナンバー管理、勤怠管理、入退社手続きなど |
外部システム | freee会計 freee申告 freee経理 freee勤怠管理 freee人事労務 freee福利厚生 freee就業規則 freee介護加算 freeeマイナンバー管理 freee販売 freee工数管理 freee会社設立 freee開業 他 |
サポート体制 | チャット、メール 電話サポートオプションあり |
試用期間 | 30日 |
フリーウェイ給与計算
公式サイト:フリーウェイ給与計算
給与計算や年調対応、社保・労保対応など一通りの範囲に対応しているにもかかわらず、5名までであれば無料利用が可能です。なお、有料版では追加料金なしで複数会社の給与計算が可能になるため、複数会社の経理にお悩みの経営者様にはコストカットにつながるでしょう。
外部システムは経理、人事労務、マイナンバーに関するもののみとコンパクトなので、ひとまず経理周りをIT化できれば良いと考えている方におすすめです。
導入形態 | クラウド型 |
コスト感 | 従業員5人まで無料
6人以上は1,980円/月 |
対応範囲 | 給与・賞与計算、年末調整、Web明細、源泉徴収票のメール送信、社保・労保対応、マイナンバー対応 |
外部システム | フリーウェイ経理 フリーウェイタイムレコーダー(勤怠管理) フリーウェイマイナンバー |
サポート体制 | 電話、画面共有、メール(いずれも有料版のみ) |
試用期間 | ― |
給料王
公式サイト:給料王
インストール型の自動給与計算ソフトです。「社員情報設定」で社員ごとの情報をきめ細かく登録できるため、人事労務に役立ちます。なお、多人数の情報修正を一括で行えて便利です。
インストール型だと「PCが破損したらどうしよう」という不安がつきまといますが、クラウドへの自動バックアップ機能で、万が一の時にもデータ復元が簡単です。法改正や制度改正により機能アップが行われた場合は、有償バージョンアップまたは年間保守契約への加入が必要になります。
導入形態 | インストール型 |
コスト感 | 希望小売価格4万4,000円 |
対応範囲 | 給与・賞与計算、社員情報入力、年調データ入力、源泉徴収票、マイナンバー、保険処理 |
外部システム | みんなの青色申告 会計王 販売王 Moneylink インボイス王 |
サポート体制 | 導入前にZoomでオンライン相談可能 導入後に電話サポートあり |
試用期間 | 30日 |
PCAクラウド給与
公式サイト:PCAクラウド給与
バックオフィス業務に役立つ外部システムが豊富で、複数契約するほど料金がおトクになります。「建設業会計」や「社会福祉法人会計」など、法人業態特化型のサービスがあるのが特徴です。コストは他に比べてやや割高に感じるかもしれませんが、2ヶ月の試用期間が設けられているため、じっくり検討できます。
また、別サービスに「PCAサブスク」があり、基幹業務ソフトをオンプレミスで月額・年額により利用できます。さらにコンプリートプランへ加入すると、豊富なPCAソフトが使い放題になります。
導入形態 | クラウド型 |
コスト感 | 1万3,860円/月~ |
対応範囲 | 給与計算、賞与処理、振込依頼書作成、支払仕訳転送、社保対象者チェック、年末調整、電子申請、リマインダー機能 他 |
外部システム | PCAクラウド 会計 PCAクラウド 建設業会計 PCAクラウド 個別原価会計 PCAクラウド 公益法人会計 PCAクラウド 社会福祉法人会計 PCAクラウド 医療法人会計 PCAクラウド 人事管理 他 |
サポート体制 | 電話、リモート、メール |
試用期間 | 2ヶ月 |
まとめ
単に給与を自動計算するためだけのソフトは珍しく、さまざまな開発元企業が豊富な機能を付加することで差別化しようとしています。どんな機能が必要なのかを社内でしっかり検討し、自社に合ったサービスを選択するのが大事です。
なお、契約せずともブラウザ上で操作性を確認できるソフトも多いため、可能であれば給与計算を実際に行う社員に複数のソフトを提示して操作画面や操作性を確認してもらい、感想を得るのがおすすめです。一度導入したソフトを長く使えるよう、導入の際には下調べを入念に行いましょう。
[最終更新日]2024/11/14
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