家族手当(扶養手当)

【読み】かぞくてあて(ふようてあて)

家族手当(扶養手当)とは

家族手当(扶養手当)とは、扶養家族を持つ労働者に対して、生活補助のために支給される手当のこと。支給金額は家族構成や扶養家族の人数によって違う。法律で義務づけられた制度とは異なり、全ての会社に制度があるとは限らない。

家族手当の普及は1939年の賃金臨時措置令に始まる。同例により賃金引き上げが凍結したが、物価が上昇したため扶養家族を有する労働者の生活が厳しくなった。よって政府は1940年、一定収入以下の労働者に対して家族手当の支給を許可する。

戦後の高度成長期には、家族手当の存在が専業主婦や核家族の増加を下支えし、日本的な雇用システムになくてはならない手当となった。しかし2000年代以降は、長引く不況やグローバル化、ライフスタイルの変化により、仕事内容や成果に結びつかず、家族手当の存在意義が問われることとなっている。

家族手当と扶養手当の違いは?

家族手当と扶養手当を区別なく使用している企業は多い。ただし厳密にいえば、家族手当は扶養される家族の収入に関わらず支給されるが、扶養手当は扶養される家族に一定以上の収入があると支給されない。

一般には、配偶者の収入が年収103万円を超えると扶養手当が支給されない企業が多い。扶養家族の年収のボーラーダインは、130万円、150万円としている企業もある。

企業の家族手当の導入状況

人事院が令和2年に行った調査によると、家族手当制度がある企業は全体の75.9%。うち、配偶者の収入による制限を設けている会社は85.6%で、収入制限の額は103万円が45.0%、130万円が31.7%、150万円が9.4%だった。

【参考】令和2年職種別民間給与実態調査の結果


[最終更新日]2023/03/30

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