インセンティブとは
目標等に対する社員のモチベーションを上げるために設定される褒賞で、規模や種類は企業によって違う。インセンティブの種類としては、報奨金、昇給、記念物品などがある。
『大辞林』第四版(三省堂)では、
①(目標を達成するための)刺激、誘因、励み
②企業が販売目標を達成した代理店や、営業ノルマを達成した社員などに支給する報奨金
と解説されている。
インセンティブとボーナス(賞与)の違いは?
インセンティブとボーナス(賞与)の違いは、成果の規模や種類にある。インセンティブはあくまで従業員個人の成果に応じて与えられる報奨金等であり、ボーナス(賞与)は企業全体の業績に応じて従業員に還元されるものだ。
もっとも、従業員個人による業績結果を月々の給与に反映せず、ボーナス支給時に対象期間のインセンティブをまとめて支給する形式も考えられる。その際、ボーナスは企業の業績が反映された金額にインセンティブが加わり、合計金額が算出される。
インセンティブと歩合の違いは?
インセンティブと意味合いが似た言葉に「歩合」がある。歩合とは、契約件数や金額といった成果に応じて、「一件いくら」「契約金額の△%」などと一律に支給される給与の一形態である。
インセンティブも歩合も成果報酬という面では似ているが、同じものとはいえない。インセンティブは目標を達成したときの報奨金という意味合いを持つため、給与に+αの形で支払われる。
よって給与体系は歩合制だが、他に契約件数などの目標値を達成するとインセンティブが発生するといったケースも考えられる。
インセンティブ制度を導入するメリットとデメリット
インセンティブ制度を導入するメリットとしては、社員のモチベーションがアップしたり社員間の競争意識があおられたりするため、会社の全体的な業績アップに貢献することが挙げられる。また役職や立場に関係なく一律のインセンティブが与えられるため、不公平感が出ない。仕組みが簡単なので、業績が下がっているときのカンフル剤としても有効だ。
インセンティブ制度のデメリットとしては、評価対象とならない業務従事者のモチベーション低下に繋がることが挙げられる。営業職等、顧客に近い職種であればあるほどインセンティブがつきやすい設計にしてしまうと、バックオフィスの意欲が低下してしまう。なるべく平等に評価されるインセンティブとなるよう、設計に工夫が必要だ。
インセンティブ制度の導入事例
インセンティブ制度の導入事例としては、以下が挙げられる。
日立ソリューションズにおける長時間労働対策
朝型勤務推奨、20時以降の残業禁止、定期的な緊急実績監査に加え、平均残業期間や年休取得率、長時間残業率の3指標を部署別にポイント化してランク付けを行った。総合評価を「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」に分け、それぞれ期別に1万5,000円から5,000円のインセンティブを、その部署に所属する従業員全員に付与した。
参考:日立ソリューションズの働き方改革の取り組み
独創的な施策で時間外動労の削減と有給休暇取得を促進
B社では、時間外労働の目標を月平均20時間以下とし、年次有給休暇の取得を推進するためにインセンティブ制度を導入した。時間外労働を減らしたら、削減できた人件費を原資として賞与に反映させるというものだ。
達成状況は以下の3つのレベルを設けている
・ゴールド:年次有給休暇の完全取得 + 残業20%削減
・シルバー:年次有給休暇の90%以上取得 + 残業20%削減
・ブロンズ:年次有給休暇の90%以上取得 + 残業10%削減
このインセンティブ制度により従業員意識二編かが見られ、有給休暇を取得しやすい雰囲気が生まれるようになった。
参考:IT業界の働き方・休み方推進|IT企業における取り組み事例 B社
[最終更新日]2024/03/18
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