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企業にとって、リスクマネジメントは会社生命を維持するために必要不可欠なものです。考えられるリスクはたくさんあり、業種によって重きを置くべきところは違ってきます。
そもそもリスクマネジメントとは何か、そしてどのような事例があるのかを紹介し、徹底解説します。
リスクマネジメントとは?
リスクマネジメントとは、日本語に訳すれば「危機管理」のことです。ビジネスを行ううえで訪れるさまざまな危機を防ぐため、または万が一に備えるため、適切な管理や対策を行うという意味です。
リスクの種類によってマネジメントの方法が違ってくるため、具体的な事例をまじえてどのような管理手法が必要なのかを紹介しましょう。
リスクマネジメントの事例
情報漏えいリスク
情報漏えいリスクは、顧客を抱えるすべての企業が対策を講じなければなりません。サイバー攻撃が心配なのは膨大な数の顧客を抱える大企業ですが、個人情報が漏えいするのは、外部からの攻撃だけが理由ではありません。
社員がメールを誤送信したり、社員が顧客情報を持ち出して不適切な使い方をしたりすることで、情報は簡単に外へ漏れてしまいます。
外部からの攻撃で顧客情報が漏えいした例としては、2013年にアメリカのヤフーがサイバー攻撃により30億ものアカウントデータを流出させた事件が思い出されます。
また、内部の過失としては、誤送信で会員のメールアドレスを流出させてしまったり、社員が顧客情報を含むUSBメモリを紛失してしまったりといった事故が頻繁に起こっています。
漏れ出た情報が悪意のある第三者にわたれば犯罪につながり、顧客が大きな事件に巻き込まれてしまう恐れがあります。
セキュリティー対策を万全にするとともに、社内でも情報の持ち出しなどを徹底して禁止しなければなりません。また、メールで一定の操作があった場合にアラートをかける、外部からの操作をロックするといった仕組みも必要です。
自然災害リスク
自然災害リスクは、会社を存続させるために必要な財産が、一瞬にして全て失われる恐れのあるリスクです。
東日本大震災では、たくさんの企業が廃業に追い込まれました。あれほどの災害に備えることは不可能ですが、やはり最低限の対策は行っておきたいものです。
自然災害リスクに関しては、ハード面とソフト面の両方をマネジメントすることが重要です。ハード面のリスクマネジメントは、保険に入ることです。
火災や台風時に補償金が出る保険や、突発的な事故で事業停止に陥ったときに損失を補償する企業総合保険などに入っておく必要があります。
ソフト面でのリスクマネジメントは、外部サーバーやクラウドへの定期的なデータ移送です。会社の外にデータを預けることになるため、情報漏えいリスクへのマネジメントも同時に行うことが肝心です。
システム障害リスク
IT化が進んだ世の中では、システム障害リスクが常につきまといます。精密機械はいつ壊れてもおかしくありません。人為的な誤作動で障害を招くこともありますから、障害ありきで考え、速やかに復旧できるような対策が必要です。
銀行でのシステム障害で窓口業務ができなくなったり、病院のサーバーがダウンして診察が滞ったりと、システム障害のニュースは常にあります。
システム障害が起こったときのマニュアルを完備し、復旧までの対応についてもスムーズに行えるようにしておきましょう。
コンプライアンスリスク
コンプライアンスリスクとは、法令違反に関するリスクを指します。食品衛生法や独占禁止法、労働安全衛生法、著作権など、企業には守るべきさまざまな法令があります。
納税の申告漏れや談合、写真の無断使用など、知らぬ間に侵していてしまっても「知らなかった」では済まされません。
コンプライアンスリスクをマネジメントするには、法律の専門家が定期的、継続的にチェックを行うことが必要です。管理部を置くか外注をするなどして、社員にも気にかかることがあれば逐一報告、相談してもらうことを徹底しましょう。
財務・人事リスク
全ての企業に必要なのが、財務・人事リスクです。経営上の失敗や役職員の急な退職にはしかるべき個々の対策が必要ですが、例えばリーマンショックのように、予測できない大きなリスクも存在します。
さまざまな潜在リスクを洗い出し、どのように処理を行えばよいか分析して、常にリスクを監視する必要があります。
リコールリスク
とくにモノづくりを行っている企業にとって恐ろしいのがリコールです。自動車、パソコン、エアコンといった製品において、日々リコールが発生しています。
リコールの予防には、設計や製造時の管理徹底が必要なことは、いうまでもありません。同じくらい重要なのが、リコールが発生してしまったときに早期収束させるためのシミュレーションです。
速やかに解決すれば、企業の信用を著しく傷つけることはありません。迅速かつ適切な対応をするため、マニュアルを完備しておきましょう。
取り返しのつかない事態が起こる前にリスクマネジメントをしておこう
リスクマネジメントは、企業の信用と財産を守るために大事なものです。取り返しのつかない事態が起こる前に、きちんとリスクマネジメントをしておきましょう。リスクを防ぐだけではなく、もしものときにも早期解決につながる対策が必要です。
おわりに
会社は利益を優先しがちですが、利益ばかりを追い求めていると、リスクの落とし穴にはまってしまうことがあります。経営者が対策を行うと同時に、社員にもリスクマネジメントの大切さをしっかり周知するようにしましょう。
内部の気のゆるみが、情報漏えいや事故につながることもあります。定期的に注意喚起して、リスクを最小限に抑えたいものです。
[最終更新日]2017/12/27
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