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社員の自律と組織力を同時に高める仕組みとして、グループアドレスが注目されています。こちらは、ファーストリテイリングやコクヨ、味の素などの大企業で導入されているものです。
そこで今回は、グループアドレスのメリットについて解説します。
グループアドレスとは?
グループアドレスとは、各部署ごとにまとまったスペースを作り、そのなかで各自が毎日好きな席に座るという座席レイアウトの仕組みです。
基本的に「自席」がないため、私物どころか資料すら席に置いて帰れません。資料は、各自に割り当てられた引き出しなどへ保管することになります。
同じような仕組みに「フリーアドレス」があります。しかし、フリーアドレスは部署ごとのスペースすら作らないオープンスタイルが一般的です。
グループアドレスのように部署ごとにまとまることで、どのようなメリットがあるかを解説しましょう。
グループアドレスによる9個のメリット
グループアドレスは、固定席とフリーアドレスそれぞれの利点を活用できるとされています。固定席、フリーアドレスと比較したメリットを、それぞれ説明しますので、参考にしてください。
固定席より整理能力が高まる
自席がないので、机の上に資料を積み上げておけません。「自分に割り当てられた狭いキャビネットに、何を入れておくか」を厳選することになります。自然と各自の整理能力が高まります。
固定席よりペーパーレス化・IT化が進む
資料を増やせないので、自然とペーパーレス化が進みます。スキャンデータを共有することが当たり前になるため、IT化を進めるきっかけにもなるでしょう。
固定席よりコストを削減できる
固定席の場合、社員の休退職などにより、常に空席ができているのが当たり前です。しかし、そのスペースは有効活用できているとはいえません。
固定席をやめ、各自がノートパソコンを持って移動する形式にすれば、大きなテーブルと今いる人数分のイスを確保するだけで済みます。結果、必要なスペースが減少し、家賃や光熱費などコスト削減が期待できます。
固定席より集中して仕事ができる
固定席の場合、頻繁に上司から呼びつけられたり、隣の人と世間話をしたりと、仕事が滞る場面が多いものです。とにかく自分の仕事に集中したい日には、上司やおしゃべり好きな同僚から離れて座れば、仕事の効率性が高まるでしょう。
フリーアドレスよりチームマネジメントがしやすい
社内のどこにでも席を構えられるフリーアドレス制だと、チームで行う仕事の進行管理がしづらくなります。「あのことについて打ち合わせしたいんだけど、ウチの部署の人間は今日どこにいるのだろう?」と、一日中誰かを探さなければなりません。
一部署がまとまるグループアドレスなら、チームの仕事が捗ります。
フリーアドレスより人材育成がしやすい
フリーアドレスでは、ついつい気の合う人たちが集まってしまい、新人はなじめないまま……という状況に陥りがちです。第一、先輩方の仕事を間近で見ることができなければ、新人の成長は滞ります。
部署ごとにまとまったグループアドレスなら、人材育成がスムーズです。また、部署全体の役割を認識することで、新人はさらに成長していくでしょう。
フリーアドレスより情報共有がしやすい
フリーアドレスではコミュニケーションツールがメールやチャット中心になりがちです。そのため、どうしても情報共有にタイムログがあります。
一方、グループアドレスなら、上司の声が届く範囲に部下がいますから、大声で一言発すれば情報を共有可能です。
フリーアドレスよりチーム内・部署内の連帯感を壊さない
固定席であれば、「チームで働いている」ことを目で理解できたけれど、フリーアドレスだとその実感がわかない。そんな寂しさも、グループアドレスが解消します。
チームで仕事をしている一体感を、日々味わうことができるでしょう。
フリーアドレスより勤怠管理がしやすい
フリーアドレスだと、部下が視界に入らないため、無断欠勤や長時間の離席に気づくことが困難です。グループアドレス制なら、管理職の目の届くところに部下がまとまってくれるので、勤怠管理がしっかりできます。
新しい働き方のひとつとして、検討してみよう
ここ数年、個々の能力を最大限に活かす方法として、チームに足を引っ張られず1人で仕事に集中できるフリーアドレスが注目されてきました。しかし、仕事には、1人でやったほうが捗るものと、チーム全体の力を必要とするものがあります。
チームの力を最大限に発揮できるグループアドレスは、これからの働き方といえるかもしれません。
おわりに
以上、固定席やフリーアドレスと比較しながら、グループアドレスのメリットを紹介しました。もちろん、固定席でないとどうしても仕事が滞ってしまう業態や、チームで作業することがあまりなく、フリーアドレスでも支障なく働けるという会社もあるでしょう。
自社に向いている仕組みはどれかをきちんと考え、適しているものを導入するのが大事です。
[最終更新日]2017/08/18
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