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時間も人的コストもかけて「これだ」という人材を確保したにもかかわらず、内定辞退されてしまう。そんなケースが増えています。内定辞退の防止には、どんな対策を講じたらよいのでしょうか。企業が内定辞退防止に取り組むにあたってのポイントをまとめました。
売り手市場で内定辞退が増加
今は少子化による人材不足が深刻で、超売り手市場となっています。複数の内定を手に入れられる学生も多く、内定辞退が増加してきました。2017年にマイナビが行った内定率調査では、内定辞退が3割以上あった企業の割合が半数を超えました。「9割が内定を辞退した」と答えた企業も、3%の割合で存在します。
※参照:2018年卒マイナビ企業新卒内定状況調査20171107
新入社員の顔ぶれが決まり、研修の準備や配置換えで忙しくしているときに、9割もの学生が内定を辞退してしまっては、ちょっと立ち直れないですよね。でも、どんな企業に入社するかは、内定さえ取れてしまえば学生の自由で、止めることはできません。内定辞退防止のためには、内定を与えた後のフォローが大事になってきます。
内定辞退防止のための企業の取り組み4つのポイント
内定辞退を防止する取り組みのポイントは、内定者の心をあらゆる方法でつかむことです。ライバル会社に優秀な人材を採られてしまうことのないよう、最終面接後も気を抜かず、むしろ細心の注意を払って内定者に接しましょう。
内定者のコミュニティで同期感覚を養う
まずは、「春から一緒に働く仲間たち」の同期感覚を早めに養いましょう。SNSに「●年度卒内定者」といったコミュニティをつくり、自由にコミュニケーションをとってもらいます。初めはぎこちなくても、何らかのきっかけで趣味が同じ仲間がいると判明したり、一緒にイベントなどへ出かけたりする機会があると、会社より先に同期になじみを覚え始めます。
同期との触れ合いが楽しいものだと知れば、「4月からみんなと一緒に働くのが楽しみだな」という気持ちを引き出すことができるでしょう。人事側がコミュニティの雰囲気を観察すれば、各内定者の性格傾向がよりよくわかることからもおススメの手法です。
両親へのアプローチを行う
最近では「オヤカク」といい、内定者の親に直接電話や手紙で「内定に承諾をいただけますか」と確認する企業が増えてきました。もちろん企業の選択は内定者である子どもの自由なので、これにより内定辞退を確実に防ぐことはできません。しかし、「親から反対されたから」と内定を辞退する新卒者は、確実に減ります。
「親に、上場企業ではないから就職するなと言われた」「御社の良くないうわさを聞いて、親が不安がっている」といったことを理由に、内定を辞退する若者が増えているようです。一昔前ならあまり考えられなかったことですが、現状をしっかり捉え、内定者本人だけではなく親へのフォローもしっかり行わなければなりません。
定期的なコミュニケーションで安心感と親近感を得る
内定辞退を防ぐためには、同期を中心とした横のつながりだけではなく、縦のつながりを意識させることも重要です。人事部や先輩社員との定期的なコミュニケーションを確立させましょう。問い合わせがあったらすぐに応対するのは基本で、内定者研修や懇親会、インターンシップなど、会社側から働きかける機会も大事にします。
とくに、実際に働いている先輩とじっくり話ができる機会があると、内定者の安心感や親近感は高まりやすいでしょう。会社への親しみ、「仲間にしてもらえるのだ」という安心を上手に育てるため、交流の機会を増やし、またゆっくり話ができる環境を整えます。
内定理由に特別感を醸し出す
内定通知はそっけない文章であることが多いものですが、それでは「受け入れてもらえた」「選んでもらえた」という実感が湧きにくくなってしまいます。内定者一人一人に、内定理由を添えて内定通知を出しましょう。
できれば、面接に立ち会った人事担当者や執行役員などが一人ずつ内定理由を書き、「自分はこの人たちに選ばれたのだ」ということが、重みをもって実感できるような内定通知を作り上げます。特別感を醸し出し、「すでにあなたは自社にいなくてはならない人材だ」と訴えかけましょう。
内定者フォローで内定辞退を防止
以上のように、徹底した内定者フォローが、内定者の心をガッチリつかみ、内定辞退を防止します。「なんだか、新入社員のご機嫌取りみたいだな」という印象を持たれる人もいることでしょう。就職氷河期に内定をもぎ取ってきた人であればなおさらです。しかし、この努力が実れば、残った内定者たちはきっと会社の力になってくれます。
また、内定者の心をつかめるよう尽力することは、必ずビジネスシーンに役立ちます。顧客の心をつかむスキルを養うためだと意識を変え、自分自身のスキルアップのためにも、内定辞退対策に力を入れてみてはいかがでしょうか。
おわりに
内定者辞退を防ぐためには、もちろん面接の段階から自社に適応できる人物を見極めることも重要です。「やっぱり何かが違う」という漠然とした理由で内定辞退が起こらないよう、会社の理念や経営方針、求める人材については、会社説明会の時点でしっかりとプレゼンしておきましょう。
[最終更新日]2018/07/25
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