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作業の効率化を図って生産性を高めようと、さまざまな取り組みを行う企業が増えてきました。しかし、一見して生産性向上に有効と思えても、実は逆効果になっている取り組みも多々見られます。
間違った生産性向上の取り組みを紹介し、その取り組みをどのように修正すればよいのかを解説しますので、参考にしてくださいね。
生産性向上とは
生産性を向上させるとは、より少ない労力でより大きな成果を生み出すようにすることです。ムダな作業や無理のある仕事を省いても同じような成果が挙げられれば、それは生産性が向上しているといえます。
しかし、たんに仕事を省くだけでは、生産性アップは見込めず、逆に業績悪化の原因になりかねません。以下、間違った取り組み例を示し、改善のためのヒントを洗い出していきます。
間違った生産性向上の取り組み7個
仕事の速い人の仕事量を増やす
手の遅い人よりも、速い人が仕事をした方が、効率が良いのは明確です。
しかし、優秀な人に仕事が集中してしまうと、他の人のスキル向上の機会が失われ、手の速い人からは「どんなに仕事をしてもお給料は他の人と同じですか?」と不満が出てしまうこともあるでしょう。長期的に見れば、社員のスキル格差や不満が深刻になってきてしまいます。
仕事の速い人にも、遅い人にも、あくまで同じような仕事量を与えるのが基本です。そして仕事が速く終わった人には、遅い人の指導係になってもらいましょう。
本人と相談して、指導手当を出すとモチベーションは高まります。こうして部署全体の業務スキルが高まれば、結果的に効率アップ、生産性アップにつながるはずです。
時間節約のためマニュアル作成はやらず、仕事を属人化させる
マニュアル作りは時間のかかる事務作業です。思い切ってマニュアルを撤廃し、各自のやり方に任せるという対策を取った会社もあるでしょう。
すると仕事のやり方が共有されないため、仕事が属人化します。1人が会社を休んだり、退職したりすると、誰も仕事を肩代わりできない状況が生まれるというのは、かなり困ったことです。
仕事を進めるうえでの基本的なマニュアルを作成すれば、誰でも仕事を肩代わりすることができます。新人育成の手間も省けます。何より、マニュアルを作る本人の仕事理解度が高まるため、より良いやり方を模索するきっかけにもなるでしょう。
時間節約のため整理整頓や掃除の時間を取らない
時間を節約するため、朝や夕方の整理整頓、掃除の時間をやめてしまったという企業もあることでしょう。
しかし、整理整頓がなっていなければいないほど、仕事効率が悪くなります。探し物をしている時間が長くなるからです。
探し物をしていたら、何分も経ってしまったという経験のある人は多いでしょう。整理整頓は、意外と侮れません。
始業、もしくは終業のタイミングで5分間の整頓をするだけでも、会社全体で仕事がはかどります。
部下に仕事を一任する
「あまりあれこれ指示出しをせず、自分のやり方で仕事をしてもらった方が、効率性がアップするのでは」と考え、仕事を一任していませんか。一任というより丸投げになっていないか、見直してみましょう。
仕事の方向性を初めに示しておかないと、手戻りが多く、結局仕事に多大な時間がかかってしまいます。仕事の目的や進め方、最終的なアウトプットのポイントをきちんと部下に伝えることが、仕事を一任するときのポイントです。
報連相を徹底させる
仕事の筋道を部下に誤らせないためには、しっかりとした報連相が必要です。しかし、過度な報連相は、上司と部下双方の時間を奪います。
報連相のタイミングはきちんと決め、10の工程があるなら「初めの1ができた時点で上司に見せて、方向性が共有できたら次は5の段階で見せる」など、適切な回数にとどめましょう。
社員の自主性に任せる
「ノルマを設けずのびのびと仕事をしてもらった方がストレスなく仕事でき、結果的に生産性アップにつながるのでは」と考えている人もいるでしょう。ノルマがなければもちろんストレスは感じませんが、社員にモチベーションがなければ、ただダラダラと仕事をするだけになってしまいます。
モチベーションは、生産性向上に不可欠です。ノルマを与える以外にどうモチベーションを上げるかを、まずは考えましょう。
ほかになんの対策もせず急に残業を禁止する
残業を禁止すれば、社員は必死で仕事を早く終わらせようとし、結果的に生産性がアップするだろうと考えている人は、要注意です。
社員は、今でも精一杯働いているのに、仕事が溢れて残業をしているのではないでしょうか。それで残業を禁止しても、終わらない仕事がたまる一方です。
まずは誰にどんな仕事が振られていて、過重になっていないかどうかをきちんと調べましょう。適切な仕事量を割り振ったうえで残業を禁止しないと、社員を苦しめることになります。
社員へのヒアリングは大事
社員のモチベーションを高めたり、残業禁止に無理がないかを調べたりするのには、社員へのヒアリングが不可欠です。仕事のどんな部分が辛いのか、楽しい仕事は何か、やりがいがあると感じるのはどんな瞬間か、他の人の働き方で気づく点はないかなどを尋ねましょう。
現場で働く社員からは、問題点がどんどん指摘されるはずです。ヒアリングを利用して職場の問題を見える化し、社員のモチベーションを上げる仕組みを作りだしてください。
おわりに
実態をきちんと把握せずに表面的な取り組みを行っていると、短期的には効率性が上がるように見えても、長期的には逆に効率性が損なわれてしまいます。
「効率アップの取り組みを始めたのに、イマイチ生産性につながらないな」と感じたら、その取り組みが表面的なものに陥っていないかを考えてみましょう。
[最終更新日]2017/06/27
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