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2018-03-292018/03/29

インセンティブとはどんな制度なのか?導入する目的や事例を解説


社員のやる気を引き出すために有効な施策のひとつに、インセンティブ制度があります。インセンティブとは、具体的にどのような制度を指すのでしょうか。インセンティブを導入する目的や期待できる効果について、具体的な事例を交えながら解説します。

インセンティブとは?

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インセンティブ(incentive)とは、もともと「行動などへの刺激や動機」という意味です。ここからビジネス用語に転じて、インセンティブは「目標を達成したときなどに支給される報奨金」や、「目標へのモチベーションを上げるための刺激」という意味で使われるようになりました。

目標へのモチベーションを上げるための刺激がインセンティブなのですから、その刺激は報奨金に限りません。昇格や社内賞などの評価や、目標達成時の慰安旅行などもインセンティブに含まれます。

インセンティブとボーナスの違い

「売り上げに応じて支払われる報奨金のことをいうなら、ボーナスと同じなのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、インセンティブとボーナスには、ハッキリとした違いがあります。

ボーナスは、会社の全体的な業績に応じて、全社員に支給される特別給です。一方、インセンティブは、個人、あるいはグループの働きによって、業績を上げた当の本人たちだけに与えられる報酬です。

インセンティブを導入する目的

インセンティブを導入する目的は、個人ごとのモチベーションをアップさせ、結果的に会社の業績をめざましく向上させることです。報奨金などを用意することで人的コストはかさみますが、モチベーション向上によって業績アップがかなえばそれを補って余りあると考えられるときに、インセンティブを発動させます。

また、インセンティブは個人の業績によって変動するため、年収は必ずしも年功序列にはなりません。若くても優秀な人材はどんどん年収がアップします。よって、年齢を問わず優秀な人材を確保しやすくなるというメリットがあります。

インセンティブの事例

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インセンティブはどのように設けるのがいいのでしょうか。具体的なインセンティブの事例を挙げて説明します。

最もスタンダードなのが個人に与える営業報奨金

インセンティブとして最もスタンダードなのが、営業目標を達成したときに報奨金を支給するインセンティブ制度です。「成績上位の者に報奨金を」とすれば営業部員同士の競争心をあおりますし、「個人目標を達成したら報奨金を」とすれば、他と比べて営業成績があまり良くない人のモチベーションも上げることができます。

支店ごとなどに営業報奨金を与えてチームの推進力を加速させる

営業目標を支店ごとに競わせ、上位の支店にインセンティブを設けることとすれば、チームの団結力を高めることにつながるでしょう。支店ごとのインセンティブなら、事務などの補助作業をする人たちにも報奨金が行き渡ることになり、社全体に活気が生まれます。

社内賞を設けてさまざまな能力を競わせる

成績の良かった人に社内賞を与えるのもまた、インセンティブの1つです。成績とは、営業の成績に限りません。顧客アンケートによる満足度、プレゼン資料の出来栄え、タイピングの早さやミスの少なさ、社内の整理整頓や美化への貢献など、さまざまな貢献に対して賞を設けることができます。

社内賞のインセンティブは、営業成績だけでなく、他にも評価の指標があることを社員に知らしめる良い手段となります。きめ細やかなサービスができる店員や、素早くきれいな資料作りができる事務員が称賛され、モチベーションを高める契機となるでしょう。

昇進させてリーダーの自覚を促す

役職を与えることもまた、インセンティブの1つです。「役柄が人を作る」という言葉があります。例えば指示を待ちがちだった社員も、「主任」という役職を与えれば、モチベーションが高まり自然と自発的に行動できる社員になってゆくことが期待されます。

インセンティブは仕事のモチベーションに影響する

以上のように、インセンティブを設けるときには、それによってどんな効果を期待するのか、狙いを明確にすることが重要です。インセンティブは、仕事のモチベーションに直結します。モチベーションは業績向上の原動力です。社員のやる気をうまく引きだし、社員も会社も成長させましょう。

おわりに

インセンティブ制度を導入しているのに、イマイチ効果が見られないという場合には、インセンティブの内容と期待する効果がマッチしていないのかもしれません。会社全体の活性化を目指しているのに、営業部員にしかインセンティブ制度がないといった状況になっていませんか。

業績を向上させるためには、誰のどんな能力を伸ばすのが効果的なのかをもう一度考えてみてください。報奨金や社内賞、昇進を組み合わせて全ての社員にチャンスを与え、「私はインセンティブに関係ないから、頑張る必要はない」という考えを持っていた社員を奮い立たせましょう。


[最終更新日]2018/03/29

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