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「働き方改革」を進める対策の一つとして、在宅勤務を代表とするテレワークが注目されています。導入を考えている企業も多いでしょう。しかしその一方で、在宅勤務を推し進めてきたはずのアメリカ企業が、在宅勤務を禁止するという事態が発生しています。なぜ在宅勤務が失敗してしまうのか、その原因を解説します。
米Yahoo!も米IBMも在宅勤務を禁止に
在宅勤務を導入してから、約25%のフルタイム社員が在宅勤務を利用してきた米ヤフーは、2013年に社員の在宅勤務を禁止しました。社員は全員出社して勤務するよう、通達が出されたのです。
また、2017年には、米IBMも完全在宅勤務を廃止しています。1990年代から世界に先駆けて在宅勤務を推進してきたIBMが在宅勤務をやめたことは大きなニュースとなり、世界に波紋が広がりました。
世界的な大企業すら在宅勤務の導入に失敗しているのに、日本はテレワークを推奨しようとしています。本当に、このまま導入してしまって大丈夫なのでしょうか。在宅勤務の導入で失敗する要因を、前もって知っておきましょう。そうすれば、あらかじめ失敗への対策を講じることができます。
在宅勤務の導入で失敗する5個の原因
コミュニケーションの減少
在宅勤務では他のスタッフと直接話をすることができず、連絡手段は電話やメールとなります。ちょっと気づいたことやわからないことがあったとき、隣にいればすぐに聞けても、メールしなければならないとなると「自分で調べよう」「今度、まとめて報告すればいい」という気持ちになりかねません。結果、コミュニケーションがどんどん減少します。
コミュニケーションが減少すると、正しい報連相がなされなかったり、滞ってしまったりと、業務に悪影響を及ぼすことになるでしょう。また、チームワークが形成されにくいという欠点もあります。いつでも気軽に書きこめ、情報を共有できるチャットツールなどを使って、コミュニケーションを密にする必要があるでしょう。
働きが評価されにくい
もしあなたが在宅勤務をしている人の評価をしなければならない場合、何を見て査定を下すでしょうか。姿が見えない人の評価をするのは難しいですよね。どうしても、仕事の結果だけを見て評価することになります。仕事への姿勢や頑張りを評価できる社内勤務と比べると、査定に差がついてしまいがちです。
また、在宅勤務の人を昇進させたとしても、管理職にするのはなかなかハードルが高いといえます。在宅勤務であっても部下の仕事のすみずみにまで目を通せるようなシステムが整っていなければ、適切な管理は難しいでしょう。
ダラダラ働いてしまう
在宅勤務は誰からも見られていないので、よほど意志の強い人でないとついダラダラ働いてしまいます。するとオフィスよりも仕事の効率が悪くなってしまい、生産性が高まりません。怠けグセのある人が在宅勤務に移行するときは要注意です。
過労に気づけない
真面目すぎる人が在宅勤務に移行するときもまた、注意しなければなりません。深夜までバリバリ働いてしまっても、在宅であれば誰も気づくことができないためです。上司が過労に気づけないと、部下が知らない間に燃え尽きてしまう危険があります。
労災認定が難しい
オフィスに向かう途中で事故に遭ったり、事務所で思わぬケガをしたりすれば、労災認定が下ります。しかし、在宅勤務中の事故やケガは、それが仕事をするうえで必要な行動だったことを証明できなければ、労災を利用するのは難しいでしょう。
在宅勤務をうまく稼働させる仕組みづくりが必要
以上のように、在宅勤務にはさまざまな課題があり、うまく稼働させる仕組みづくりを設けなければ失敗に終わる可能性があります。また、在宅勤務に向く職種ばかりとは限りません。会社ごと、部署ごとに在宅勤務が可能かどうかを考え、可能だとすればどのような仕組みが必要かをトップやリーダーがとことん話し合うことが必要です。
おわりに
在宅勤務は、うまく利用すれば必ず人手不足の解消に結びつきます。子育てや介護など、さまざまな事情で退職を考えている社員たちを引き留める手段になるでしょう。経験を積んだ社員は、会社の財産です。簡単に手放したくないと考えるなら、在宅勤務の仕組みを速やかに整えましょう!
[最終更新日]2018/03/01
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