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ビジネスの場では、「アジリティ」という言葉を聞くことがあります。「俊敏性」「敏捷性」などと訳されるアジリティですが、ビジネスの上ではまた違った意味を持っています。企業の成長に必要なアジリティについて解説します。
アジリティとは?
アジリティとは、英語”agile”(素早い)の名詞形であり、素早さや俊敏さといった意味を持っています。”Speed”(スピード)や”Quickness”(クイックネス)などと同様の意味を持ち、スポーツの世界では、これらの頭文字を取った「SAQトレーニング」があり、刺激に対して俊敏に動くための練習法として広く知られています。
また、サッカー業界で「アジリティ」といえば、チームや相手の動きを瞬時に見極め、機敏に反応できる能力を指し、選手に求められる能力として重要な位置を占めています。機に応じた方向転換や、加速・減速など緩急をつけたボールさばきができると、「アジリティが高い」とされます。
ビジネスにおけるアジリティ
一方で、ビジネスにおけるアジリティとは、状況に応じて的確に素早く行動できる機敏性を指します。私たちの仕事を取り巻く環境は、刻一刻と変わっていきます。世の中全体のニーズ、取引先の動き、チーム内のモチベーションやそれぞれの社員の能力などから、今最も打つべき手は何かを瞬時に判断し、行動につなげる能力をアジリティというのです。
アジリティの高い組織では、社員それぞれが常にフレキシブルに動いています。環境の目まぐるしい変化についていくため、チーム内のコミュニケーションも活発です。想定外のことにも瞬時に、適切に対応するため、社員にはある程度の決定権があり、それぞれ責任を持って持ち場を回しています。
機敏性(アジリティ)と俊敏性(クイックネス)の違い
「機敏性」というと、「それは、単純な速さとどう違うの?」と疑問に思われる人もいることでしょう。先に挙げた「SAQ」(Speed、Agility、Quickness)は、それぞれ「速い」という意味あいを持ち合わせていますが、それぞれ微妙に意味が違います。
まず、「スピード」は、文字通り「速さ」という意味で、「スピードがある」とは、単純に「速い」ということを指します。そして「クイックネス」は、純粋な俊敏さを指しており、ある刺激に対してどれだけ素早く反応できるかを指しています。
一方で「アジリティ」は、刺激や障害に対して、どれほど的確に素早く対応できるかを指します。ただ速く動くだけでは足りず、その場にあった判断を即座に下して自分の身体を動かさなければならないのです。
このように、三単語の意味の違いを知れば、「アジリティ」が「スピード」や「クイックネス」と比べて、いかにビジネスシーンで重要な能力かがわかるでしょう。ビジネスでは、仕事が速いだけでも、反応が早いだけでも、もちろん大いに会社の戦力となってくれます。しかし、本当に求められる人材は、アジリティの高い人材です。
的確で素早い状況判断が求められる時代
初めからアジリティの高い人は会社の貴重な財産ですが、やはり多くはありません。アジリティは、企業で成長するにしたがって個々人が鍛えるべき能力です。的確で素早い状況判断が求められる現代にあっては、アジリティを重視した人材育成が欠かせません。
仕事の早さや、反応の速さ、経験が多くなっていけば行くほど鍛えられていきます。では、アジリティは、どのように訓練すればいいでしょうか。ただ、「各自にある程度の裁量権を与えるから、様子を見て自由に動くように」と命じたところで、それぞれがバラバラな動きをし、かえって非効率に陥ったり、トラブルが起こったりするのは目に見えています。
アジリティの高い社員を育てるには、第一に、絶対にぶれない大きな指針を掲げなければなりません。企業全体を貫くビジョンを全社員に示すこと、達成すべきミッションが明確であること、全ての社員に必要な情報と知識が公開されていることがポイントとなります。ゆるぎない軸と確かな知識があれば、社員は常に正しい判断を素早く下すことができるのです。
おわりに
アジリティの高い企業を実現するため、社員がいつでもフレキシブルな対応ができる仕組みづくりを始めましょう。やるべきことが明確なら、社員は無理なく的確な行動を割り出すことができます。時代の流れに乗り、これからも企業を待ち受けるさまざまな困難に立ち向かうためにも、1人でも多く、アジリティに長けた人材を育て上げましょう。
[最終更新日]2018/05/24
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