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2018-10-162019/07/04

コーチングの基本的な考え方と活用の仕方〜相手に気づきを与え自発的行動を促す〜


日々の業務の中で行き詰まりを感じたとき、どのような行動をしていますか?業務改善したいとき、もっと効率的な仕事のあり方を知りたいとき、コンサルティングや研修などではなく、コーチングという手法を利用することがあります。コーチングは、相手に気づきを与えて自発的な行動を促すため、部下の指導法にも適しています。コーチングの基本的な考えと、活用方法についてご紹介します。

コーチングとは?

コーチングとは、個々人やチームとパートナーシップを築き、目標を達成できるよう導くことをいいます。コミュニケーションを駆使してあくまで自発的行動を促し、自分自身で課題を乗り越えさせる、目標を達成させるのが、コーチングの特徴です。

コーチングとティーチングの違い

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コーチングの基本的な考え方は、ティーチングとの違いを比較することで理解しやすくなります。その名の通り、「教える」ことを意味するティーチングとは、何が違うのでしょうか。

一方通行か、問いかけがあるか

授業や研修に代表されるティーチングは、基本的に教える側が教わる側に知識を与える形で行われます。よって、コミュニケーションはやや一方通行になる傾向にあるでしょう。

一方、コーチングは、コーチからの問いかけに個々人やチームが自分なりの答えを出していくことで成立します。答えを見出すのはコーチではなく、コーチングされる側なのです。

受動的か能動的か

ティーチングは、先生から知識や経験のシャワーを浴びるようなもので、かなり受動的な行動です。一方、コーチングは問いかけが中心なので、コーチされる側は自分の頭をフル回転し、能動的に課題へ関わることになります。

スピード重視か成長重視か

ティーチングは、手取り足取り教えてくれるため、課題をすぐに解決しなければならないような場面では非常に役立ちます。一方でコーチングは自らの気づきを重視するため、緊急性の高いシーンには向いていません。

ティーチングもコーチングも、学びや気づきのための指導方法ではありますが、ことビジネスシーンにおいては、緊急性によって使い分けが必要です。

別の課題も自ら乗り越えていく力がつくか

ティーチングは、1から10まで教える側が指導するため、教わる側には正しい解決方法が身につきます。しかし、また別のアクシデントが起こったり、違う目標に取り組んだりするときに、また1から教わらなければならない可能性があります。

一方、コーチングを活用すると課題へ自発的に取り組む力が身につくため、別の課題が発生しても自分なりの方法で乗り越えていくことができます。その成長度合いは、ティーチングの比ではありません。

大人数に応用可能か

ティーチングは一方的なコミュニケーションが多く、教科書化することが可能なので、大人数の育成にも応用できます。新人研修など、画一的な知識を身につけさせて人材の統一化を図るときには有効です。

一方、コーチングは問いかけと答えを中心とし、個々人の潜在能力を引き出すのが目的なので、大人数の育成には向いていません。あくまで個人や少人数チームのための指導法です。

知識がまるでなくても有効な指導法か

ティーチングは、教える側がすべて手ほどきしてくれるので、教わる側に知識や経験がまるでなくても有効ですが、コーチングによって自らの潜在能力を引き出すためには、ある程度の知識や経験が必要です。知識不足、経験不足ということは「引き出し」が少ないということなので、能力を引き出すことができないのです。

よってコーチングは、どちらかといえば経験者やリーダー向けの指導法といえるでしょう。新人にはティーチングで、まずは知識を与えることから始めなければなりません。

コーチングの活用方法

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コーチングにはさまざまな活用法があります。ときにはティーチングの手法を交えながら、上手に指導を行うことがポイントです。

残業の多い部下にセルフマネジメントを促す

残業の削減が叫ばれている昨今、いまだに午前様が常習化している社員はいませんか。ダラダラ残業の多い部下を指導する際は、コーチングを使えばセルフマネジメント能力が育成されます。

「なぜ、残業が多いのだと思う?」「改善するにはどうするべき?」と問いかけを繰り返しましょう。部下が質問に答えることによって意識が育ち、自ら残業を減らそううとする力が身につきます。

知識とスキルにギャップのある部下の潜在能力を引き上げる

知識も経験も積んでいるはずの部下が、どうも「ベテラン」にふさわしい仕事をしないと思ったら、コーチングを活用してみましょう。豊富な知識がバックグラウンドにあるため、潜在能力が引き出されれば、爆発的に成長することが期待されます。

部下の悩みにアドバイスではなく質問で切り返す

部下から相談を受けたら、対策法や解決法をすぐにアドバイスしたくなるのが上司というものです。しかし、それをぐっとこらえ「自分ではどうしたらいいと思う?」「例えば、どんな解決法があるか、今の自分の考えを言ってみて」と質問で返してみましょう。部下のほうから思いがけない斬新な解決法が提示され、採用に至るかもしれません。

業務改善会議で聞き役に徹する

会議でまとめ役となるリーダーは、「自分がこの場を導かなければ」と考えます。しかし、あえて聞き役に徹し、結論づけの代わりに問いかけを行いながら会議をするのはいかがでしょう。聞き役に徹しながらも結論に導く、高度なコーチングができれば、部下たちがより自発的に会議に取り組むことができます。

部署内で小さなリーダーをたくさん輩出する

部署の人数が多くなり、小さなリーダーをたくさん育成しなければならなくなったときには、リーダー育成にコーチングを使いましょう。新リーダー一人ひとりに自発的な気付きを促すのは骨の折れる仕事ですが、ひとたびコーチングが成功すれば、自ら動いてくれる人が増え、仕事が圧倒的に楽になります。

おわりに

コーチングの手法を活用するには、体系的な学びが必要不可欠です。人材不足に苦しむ現代においては、自ら考え行動する人を育成しなければなりません。そのため、これからのマネージャーにとっては、コーチングの技術が大事になってくるでしょう。スキルを身につけ、部下の指導法に少しずつ活かしていきましょう。


[最終更新日]2019/07/04

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