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2018-11-282018/11/28

いつもの思考から抜け出して新しい発見を~ラテラルシンキングのススメ~


「新しいアイデアを生み出したいけれど、思考の仕方がわからない…」という方は、案外多いのではないでしょうか? そんな方におすすめなのがラテラルシンキングです!

本記事では、マンネリ気味の思考から抜け出して新しい発見をしたい方のために、ラテラルシンキングという思考法をご紹介します。ラテラルシンキングの真髄は「水平方向」に思考することにあるのですが、そう言われてもピンとこないですよね。その答えは本文で詳しく解説していますので、ラテラルシンキングを身につけたい方はぜひ最後までお読みください。

ラテラルシンキングとは?

「ラテラル(lateral)」は、「横の」「側面の」という意味があります。ラテラルシンキングは「水平思考」とも呼ばれていて、水平方向に発想を広げていく思考法です。

ラテラルシンキングは、マルタ共和国出身の医師・心理学者のエドワード・デ・ボノが考案した思考法で、1969年に出版した著書「水平思考の世界:固定観念がはずれる創造的思考法」に中で提唱されています。

ロジカルシンキングとの違い

ラテラルシンキングはしばしばロジカルシンキングと混同されますが、それぞれ異なる概念の思考法です。

ロジカルシンキングは日本語で「論理的思考」と訳される思考法で、「垂直思考」や「縦の理論」とも呼ばれています。ロジカルシンキングは論理を組み立てることで結論を導き出す思考法で、主題の出発点から縦方向(垂直)に思考を積み上げていくのが基本です。

対してラテラルシンキングは、主題を別の角度で見ることにより、新しい発想を生み出します。思考のスタート地点を横方向(水平)にズラして考えるようなイメージで、着眼点を変えることにより、従来とは違った答えを見つけ出そうと試みるのがラテラルシンキングです。

たとえば、「Aという商品を売るのにBを使う」のが通常だとしましょう。どうすればAの商品をBで効率よく売るか、効果的に宣伝できるかを考えるのがロジカルシンキングです。

ラテラルシンキングでは、Aを売るのにBを使うのではなく、CやDといった方法はないか、と新しい手法を考えます。仮にCの手法が販売に有用だということがわかれば、その後はロジカルシンキングで縦方向に思考すればいいわけです。

まとめると、ロジカルシンキングはもともとの情報や主題を元にして縦に論理を組み立てていく思考法で、ラテラルシンキングは根本を見直して別の方法はないかと横に思考を広げていく、という違いがあります。

ビジネスにおけるラテラルシンキングの重要性

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ビジネスでは思考を整理して論理的に結論を導き出すロジカルシンキングを身につけることも大事ですが、新しいアイデアを生み出すのであればラテラルシンキングが必要です。上述したように、ロジカルとラテラルでは思考の仕方が「縦」と「横」という大きな違いがあるため、それぞれの効果を理解して使い分けるようにしましょう。

ラテラルシンキングは、新商品や新サービスの開発、新規ビジネスの立ち上げなどを考える際に役立ちます。既存の商品やサービスではなく、新しく生み出すのであれば、垂直方向(縦)に考えていても発想は広がりません。

既存のアイデアから離れて水平方向(横)に考えることで、これまでにないアイデアを生み出すのがラテラルシンキングの役割です。

課題解決を試みるのであれば、ラテラルシンキングで水平方向に考えることで、意外な解決案が見つかるかもしれません。固定概念にとらわれていると身近にあるヒントも見落としてしまうので、視野を広げるためにもラテラルシンキングをしてみましょう。

ラテラルシンキングの鍛え方・取り入れ方

ラテラルシンキングを鍛えるには、まず固定概念を取り払うことを意識しましょう。「AにBが必要」という常識にとらわれていると、「AにBが必要だが、CやDでも代用できる」という新しい事実に気づくことができません。

たとえば、一昔前はシェアリングサービスというモノや場所などを共有する概念は存在しませんでしたが、今は当たり前になりましたよね。これもラテラルシンキングに沿って考えなければ、思いつかなかったことでしょう。

従来はマイカーを持つのが常識でしたが、今はカーシェアリングを利用して車の維持費を節約する人が増えています。マイカー保有率の低下がカーシェアリングの普及の要因になっているわけですが、「車を売る」という発想しかなかったとしたら、車を共有するサービスは思いつかないですよね。

このような時代の変化に合わせた商品やサービスを考案するには、常日頃からラテラルシンキングを意識することが大事です。ビジネスのヒントはたいてい日常生活に落ちているものなので、固定概念にとらわれて見落とさないように、視野を広く持っておきましょう。

おわりに

ラテラルシンキングとロジカルシンキングは使い分けが大事です。新しいアイデアを生み出したい時はラテラルシンキングを使い、思いついたアイデアを昇華する時はロジカルシンキングを使いましょう。

ビジネスパーソンであれば、ラテラルもロジカルもどちらも身につけておきたいところです。意識次第でラテラルシンキングは習慣にできるので、日常生活で水平方向に思考を広げるトレーニングをしていきましょう!


[最終更新日]2018/11/28

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