人事でお悩みの経営者へ必読コンテンツ
「CS(顧客満足度)」に気を配っても、「ES(従業員の満足度)」を無視していては、業績はなかなか伸びません。業績が伸び悩んでいると感じたら、社員がどれだけ今の職場環境に満足しているかチェックすることが肝心です。
企業が社員満足度の向上に取り組むべき理由をお伝えします。
社員にとって職場環境は非常に大事
社員にとって、毎日通う会社はただ給料をもらいに来るための場所ではありません。1日の大半を過ごす職場は、人とのコミュニケーションを楽しみ、信頼関係を築き、仲間と一体感を持って働くことで自分の価値を確認できる「自分の居場所」です。
仕事環境に対してどのような要因が満足度を高めるのかは、人それぞれです。例えば、職場の雰囲気のほか、社会への貢献度、給料の高さ、出勤時間の自由度、経営者を尊敬できるかなどが考えられます。
自分が大事にしているものを否定される職場は窮屈です。一方、多様な価値観をフォローできれば、そこはどんな人にとっても居心地の良い会社となりえるでしょう。
社員満足度の向上に取り組むべき4つの理由
社員満足度が低いと離職率が高まる
人事評価制度によって営業成績を正当に評価し、十分な報酬を与えていれば、どんな職場環境であっても優秀な社員はつなぎとめられるという考え方もあるかもしれません。
しかし、どんなに努力をして営業でトップになっても、給料が高くても、誰からも直接評価されず、仲間がいなければ、そこを自分の居場所と考える人はいないでしょう。
給料が高いだけでは、職場環境に人間らしい温かみを求める人は去ってしまいます。あとには「給料が高ければそれでよい」と考える人しか残りません。「それで結構」と考えるかもしれませんが、一概にそれを是とするのは危険です。高い給料を求める人材は、より高い報酬が得られる会社があれば、たやすく転職してしまいます。
また、業績がよければどんどん賃金をアップしてあげたいという気持ちが経営者にあったとしても、昇給には限界があります。給料という要因に限りがある以上、他の要因で社員満足度を高めなければ、人材の流出は免れないでしょう。
社員の当事者意識が芽生える
多かれ少なかれ、社員には「自分がこの会社に必要な人材であることを実感したい」という気持ちがあることでしょう。営業職であれば実感はしやすいですが、一方で事務系などの間接部署では実感に乏しいと感じている社員が少なくありません。
どんな部署の人材であれ仕事ぶりを認め、会社を動かしていくにあたって確かに重要な役割を担っていると実感してもらえるような人事評価制度を作らなければなりません。それが、社員満足度の向上につながります。
この実感が得られると、どのような部署の社員にも当事者意識が芽生えてきます。より地に足のついた仕事ぶりを発揮してくれるようになることでしょう。
目指すべき会社像がハッキリして人材探しに役立つ
社員満足度に戦略的に取り組み始めると、会社の理念が「見える化」するのをはじめ、人事評価制度や福利厚生面がより豊かに、ハッキリとした輪郭を持つようになります。すると、社員募集の際により具体的な会社説明を行うことが可能になるでしょう。
会社の目指す方向性と、福利厚生や評価の仕組みについて具体的な説明ができれば、応募者は入社後のイメージを明確に思い描くことができます。そのうえで「この会社にぜひ入社したい」と思う人が入社してくれるため、ミスマッチが起こりにくくなると思ってください。
つまり、社員満足度を高める取り組みは、これからの人材探しにも役立つのです。
顧客満足度につながる
社員満足度が向上すれば、「この会社でずっと働きたい。会社を持続させるためにはどんなことをすればよいか」と個々の社員が考えるようになります。そして会社を持続させるために大事な顧客満足度に、社員がより注目することになるのです。こうして、社員満足度の高さは顧客満足度アップにつながっていきます。
なお、社員満足度が高い会社は、全体の雰囲気が良いものです。その雰囲気の良さは顧客にも伝わります。明るくやる気に満ちた対応は、それだけで顧客満足の要素となるでしょう。
社員の満足度が業績の向上につながる
以上のように社員の満足度に取り組めば、業績の向上につながることがおわかりいただけたと思います。社員満足度はつきつめていけば顧客満足度につながります。顧客満足度が業績アップにつながっていくことは、いうまでもありません。
おわりに
社員満足度を高める取り組みは、経営者が会社のあり方を根本から見つめ直すチャンスです。本気で取り組めば、会社のビジョンに向かって全社員がベクトルを一致にすることになり、業績アップにつながるでしょう。
会社にとって社員は宝ですが、社員にとっても会社がかけがえのないものとなるよう、社員満足度の向上に努めましょう!
[最終更新日]2017/04/25
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