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ファーストペンギンという言葉をご存じでしょうか。ペンギンの習性から生まれた言葉で、ビジネス用語としても使われています。
勇猛果敢に新しいビジネスへと挑戦することは、リスクも伴いますが、大きな先行者利益を得るチャンスでもあります。ビジネスにおけるファーストペンギンについて紹介します。
ファーストペンギンとは?
ファーストペンギンとは、率先して海へ飛び込む、勇気あるペンギンのことをいいます。あるとき、新しく狩場となるような氷穴を見つけたとしても、多くのペンギンは、じっと中の様子をうかがうだけで、何もしません。
海の中には危険な天敵が潜んでいるかもしれませんし、獲物が全くいないことも考えられるからです。
そんななか、危険を顧みず、新しい狩場を得るために飛び込んでいける一匹のペンギンがいます。これが、ファーストペンギンです。ファーストペンギンが飛び込んだ後も、大勢のペンギンたちが後に続いて飛び込むことはありません。
しばらく様子を伺っています。ファーストペンギンが無事に泳ぎ、獲物を捕らえているのを確認して、初めて群れが飛び込みます。
しかし、多くの群れが飛び込んだ後では、魚たちが驚いて逃げてしまうなどして、餌にありつけないペンギンも出てきます。天敵もライバルもいない状態で獲物を得たファーストペンギンだけが、たっぷりと分け前を得ることを保証されるのです。
ビジネスにおけるファーストペンギン
以上のようなペンギンの習性から、新しい業界や投資へチャレンジして先行者利益を得ることを、ビジネス業界でファーストペンギンと呼ばれるようになりました。ハイリスク、ハイリターンの世界を泳ぎ切ろうとする度胸や潔さを讃える言葉として使われています。
例えば、楽天の三木谷浩史社長は、自らを「ファーストペンギン」と称した本を出版しています。
ネット通販の大手としてあっという間に日本を代表する企業となった楽天の社長も、初めはさまざまな大きな商社が苦戦を強いられていたネット通販の事業へ、自ら飛び込んでいったのです。
NHK連続テレビ小説「あさが来た」で使われて話題に
ファーストペンギンという言葉は、NHKの連続テレビ小説「あさが来た」で使われて話題となりました。ヒロインの白岡あさは、炭鉱の経営者です。
舞台となっている明治期の日本では、炭鉱の世界はまだまだ未開発で、成功する保証は何もありません。そんな場所へ女性実業家として飛び込んでいくあさを、登場人物が「ファーストペンギン」と称します。
あさのモデルとなった広岡浅子は、炭鉱事業を皮切りに、銀行の設立や日本で初めての女子大設立などをも行っています。
社会の表舞台に立つのは男性というのが常識だった明治期において、女性実業家が先進的な事業を次々と成功させた広岡は、現代のビジネスマン、ビジネスウーマンにとっても、チャレンジ精神をおおいに鼓舞される人物でしょう。
ファーストペンギンで先行者利益を得る
ファーストペンギンは、失敗のリスクこそ大きいですが、成功すれば大きな先行者利益が約束されています。現代においても、たくさんのベンチャー企業が新しいことへチャレンジし、成功をおさめた例がたくさん見受けられます。
なかでもITの世界では、新しいビジネスの枠組みが日々生まれており、チャンスのタネはまだまだ転がっているといえるでしょう。
リスクを恐れていては新しい市場は開拓できない
リスク回避だけを考えていては、新しい市場は永遠に開拓できないと考え、ときには思い切って新たな海に飛び込むことも必要です。ずっと新しいことに挑戦できず、よどみの中に埋もれていくことこそリスクが大きいと考えましょう。
ペンギンと違って、ビジネスの世界では天敵に取って食われることはありません。たとえ失敗したとしても、再起は十分に可能です。
おわりに
海へ飛び込み、天敵の来襲をかわしながらたくさんの獲物を得るには、運の他に泳ぎ切る体力と俊敏さも必要です。十分に策を練り、必要最低限の資金を確保しておくことが、ファーストペンギンの条件ともいえます。
「すべては運任せ」と飛び込むのではなく、勝つためのプランを描いてから、大海に乗り出しましょう!
[最終更新日]2017/12/27
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