前回の講座では、「人事評価制度」に「戦略」が必要である理由と組織の成長に果たす役割」についてお話ししました。その中で、組織を成長させる仕組みとして、「ビジョン実現型人事評価制度(R)」をご紹介しました。
※まだ読まれてない方は、ぜひ一読いただいてから本記事をお読みください。
今回の講座では、「ビジョン実現型人事評価制度(R)」を成果につなげるために重要な「戦略」についてお話をします。
「人事評価制度」を通じて組織を成長させるためには、ビジョンを実現するための目標や役割を「評価基準」に落とし込む必要があります。
実はこれが「戦略」です。
「経営計画」では、将来の数値目標を達成するための打ち手として戦略を明文化します。
「戦略」とは、“目標を達成すための打ち手”なのです。
しかし、その重要であるはずの戦略は、中小企業ではほとんど手つかずというのが現状です。
視点を変えれば、これまでやっていないからこそ、取り組めば生産性を2倍以上に向上させることができるのです。
ここで考えていただきたいのですが、本来どんな会社も、そこにいるメンバー、社員はその会社の目標を達成するための仕事をしているばずです。
ところが、現場の社員はこれを意識しながら仕事をしている人は少ないものです。
なぜ仕事をしているのかを問われると、
「その仕事が以前から行われていたから」
「上司から指示されているから」
「顧客から求められるから」
と答える人も多いでしょう。
こういった状態の組織から仕事を戦略につなげ、目標を全社員に示すことで中小企業は大きく生産性を伸ばすことができます。
その仕組みが「評価制度」です。
評価を通じて毎回毎回、自分自身の仕事ぶりを振り返り、目標への貢献度を示します。
こうして全社員が自分自身の仕事が戦略を実行し、目標達成のために行っているとういことを理解することができるのです。
人事評価制度の作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
人事評価制度の作り方を10ステップで解説、評価制度運用の成功事例も紹介
戦略を「評価基準」に落とし込まなければならないということは、本メルマガをご覧の方なら、すでにご理解いただいていることでしょう。
「戦略」と結びついていない評価基準のまま評価制度を運用することは大きな弊害を生みます。
評価結果はよくなっても業績は上がっていない。その結果、賃金だけ上がり続けてしまい、業績はそのまま、もしくは低下、人件費が利益を食いつぶしてしまうという悲惨な状態になってしまいかねません。
しかし、どうやって「戦略」を評価基準に落とし込み、社員が戦略を実行してくれている状態とすればよいのか?この点は、みなさん悩まれているところです。
戦略と社員の行動をうまく結びつけるためには、まず「評価基準」を4つのカテゴリーに区分して作成する必要があります。
その評価基準とは
・業績
・成果
・能力
・情意
の4つです。
この中の、「業績」と「成果」項目に戦略を落とし込みます。
ここまで理解したうえで、「業績」「成果」「能力」「情意」それぞれのカテゴリーの考え方と作成ポイントを『 図解 3ステップでできる 小さな会社の人を育てる「人事評価制度」のつくり方』(あさ出版)で確認してください。