経営ビジョンの役割とは?社員にビジョンを浸透させる具体的な方法
以下のフォームにご入力いただくと、ダウンロード用URLを記載したメールをお送りします。また、会社のビジョンを実現するための具体的実践例と成功のコツが満載の「山元浩二のメールマガジン」を月2回お届けします!
- 1
- 2
- 3
あなたの会社は、経営ビジョンを明確にしていますか?経営ビジョンは、経営理念とも、ミッションとも違います。経営ビジョンをはっきり打ち出せば、全社員が理想の会社像をイメージしながら働いてくれるようになります。経営ビジョンの役割と、社員にビジョンを浸透させる方法について解説します。
経営ビジョンとは
経営ビジョンとは、「会社のN年後の将来像」です。似た言葉として「経営理念」があります。意味を混同してしまう人もいるかもしれませんが、経営理念は会社の存在意義や姿勢、使命などを打ち出すものであり、経営ビジョンは経営理念を実現させるための具体的な将来像を指します。経営理念は、抽象的、哲学的なものになる傾向がありますが、経営ビジョンは具体性を持って打ち出されます。
また、ビジョンと似た言葉に「ミッション」もあります。ミッションとは、直訳すれば「使命」や「任務」であり、ビジネス的には「企業が果たすべき役割」の意味で使われる言葉です。
一方、ビジョンとは「展望」や「見通し」を意味するため、「企業が目指すべき理想像」の意味で使われます。詳しくは、過去記事を参照してください。
ミッションとビジョンの違いとは?定義の解説とミッション作成の参考になる5個の事例
- 経営ビジョンとは、「会社のN年後の将来像」
- 経営ビジョンは経営理念を実現させるための具体的な将来像
経営ビジョンで会社の方向性を共有
経営ビジョンは、会社の将来像を具体的に示すという役割を担います。経営理念だけでは、社員たちは会社の将来像を思い描くことは難しいです。それを明らかに示すものが、経営ビジョンなのです。
例えば、「お客様と地域に愛され全社員の幸せを実現する会社を実現」という経営理念を掲げている会社があったとします。この理念から漠然とした将来像は想像できるかもしれませんが、イマイチハッキリと映像化して思い浮かべることができません。
そこで、「地域内で業界圧倒的NO.1になる」「社員が周りに自慢したくなる会社」「社員のやりがい・成長度ナンバーワン」などのビジョンを掲げることでより具体的になります。社員がぜひ実現したい!という気持ちが強くなり、目標に向かおうとするベクトルもそろえやすくなるのです。
このように、経営ビジョンは成長を続けようとする企業にとって、大事な役割を持ちます。社員に対して行動指針を明らかにするだけでなく、社外にもビジョンを発信することによって、どんな会社になるかを宣言するのです。企業の経営に対するスタンスが世間に打ち出されれば、社員もより自覚した行動が期待できるでしょう。
経営計画でビジョンを明確にする
経営ビジョンは、いきなりそれ単体で考えるのではなく、「経営理念」「基本方針」「行動理念」「人事理念」の4つの理念をつくったあとに考えます。「経営理念」に到達する過程の会社の姿を具体的にはっきりと描けるように言語化することがポイントです。
「ビジョン」ができたら「事業計画」「戦略」を作成し「ビジョン」実現のルートや手段を具体化していきます。これらを盛り込んだ経営計画を作成します。
具体的な経営計画のつくり方は、こちらを参考にしてください。
人事評価制度とは「人材を育成するための仕組み」、人事評価制度・経営計画の作り方まとめ
「こんな先がわからない時代に、将来のビジョンなんて立てられっこない」と思うでしょうか。先行き不透明な時代だからこそ、将来を予測し、計画を練る。しかし、目標は意に反して未達で終わる場合も多いと思われます。未達だからこそ、その要因を明確にし、足りなかった部分を次年度の経営計画に盛り込むのが大事なのです。
そして、経営計画を作成する目的は、「会社の将来を社員と共有するため」「会社の発展のため」「会社の価値を上げるため」の3点です。目標を遂げることは、もちろん目的の一つではありますが、全てではありません。経営計画を作成し、社員に伝えていくことで、ビジョンの実現性が高まってくるのです。
ビジョン実現型人事制度で経営計画を実現
経営計画があったとしても、社員が行動レベルまで落とし込めていない会社も多くあります。それは、落とし込みの仕組みがないためです。この社員一人ひとりの行動と経営計画をリンクさせることができるのが、「ビジョン実現型人事評価制度®」です。
人事評価制度の中に経営計画を実現させるために社員にとってもらいたい行動を評価項目に盛り込むことで、自然に社員にビジョンを自覚させ、理想的な行動を促すことができます。具体的には、経営計画を「ビジョン実現シート®」として1枚のシートにまとめます。それをもとに人事評価制度に落とし込んでいきます。
「ビジョン実現シート®」を含めた「ビジョン実現型人事評価制度®」のつくり方に関しては、以下の記事を参考にしてください。
経営計画発表会で「目的」と「意義」を浸透させる
「ビジョン実現シート®」を作成できたら、具体的な人事評価基準作りに入る前に、ぜひ「経営計画発表会」を開催することをお勧めします。シートを社員に配っただけとか、社長以外の幹部に社員へ伝えてもらうだけでは不十分です。社員へ公開する場を設けて初めて、社員の気持ちを一つにできます。
また、発表会の場をうまく活かすことで、プロジェクト成功への大きなきっかけとなる場合も少なくありません。社員全員に「目的」と「意義」を浸透させるためには、社長自らが社員に訴える発表会が必要なのです。
経営計画発表会の準備の仕方や成功させるコツは、以下の記事で詳しく解説しています。
経営計画を浸透させる取り組みも必要
経営計画発表会を開いただけでは、社員らに継続的な取り組みを行ってもらったり、ビジョンを浸透させたりすることはできません。まずは、いつでもどこでもビジョンを社員が自覚できる仕組みが必要です。「ビジョン実現シート®」を各自が目に見えるところに貼ったり、あるいはカード形式にして全社員に持たせるといった工夫をしましょう。
また、朝礼や各会議、ミーティングなどの場で、理念や基本方針と合わせて唱和させるとより社員に浸透するでしょう。
そして大事なのが、定期的に社長がビジョンを発信し続けることです。理念研修を実施したり、幹部やリーダーとの会議の場で考え方を伝えたりしましょう。毎年、経営計画発表会を開催し、全社員とビジョンを共有する機会を設けることも大事です。
おわりに
経営ビジョンを明確にすると、会社を今後どうしていきたいか、将来像が見えてきます。漠然とした経営理念しか設定していないという会社はとくに、理念をもととしたビジョンを練ってみましょう。
そして、せっかく作った経営ビジョンですから、社員全員に浸透させ、会社を成長させる起爆剤としたいものです。毎年発表会を開き、さらに発表会の後には全社員が参加する懇親会を設ければ、食事をとりながらビジョンに対する想いや本音を聞き出す場としても活用できるでしょう。
また、今回は経営ビジョンにクローズアップして解説しましたが、ビジョンを会社経営にフル活用するためには、抜本的な改革が必要です。とくに、人事評価制度を更新することが、人材の成長、ひいては会社の成長に不可欠になってきます。総合的な制度導入を考えているなら、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
この記事を監修した人
代表取締役山元 浩二
経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)、『小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である『【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。
日本人事経営研究室は仕事創造型人材を育て、成長し続ける強い企業づくりをサポートします
私たち日本人事経営研究室は、"人間成長支援"をミッションとし、
中小企業の持続的成長をサポートしています。
「人材」ではなく「人間」としているのには、こだわりがあります。
それは、会社の中で仕事ができる「人材」ではなく、仕事を通じて地域や環境、社会に貢献できる「人間」を育てる事を目指しているからです。
日本人事経営研究室では、そのために必要な「人」に関するサービスや情報を提供しています。