日本人事経営研究室株式会社
代表取締役
山元 浩二(やまもと こうじ)
日本で随一の人事評価制度運用支援コンサルタント。
日本社会を疲弊させた成果主義、結果主義的な人事制度に異論を唱え、10年間を費やし、1000社以上の人事制度を研究。会社のビジョンを実現する人材育成を可能にした「ビジョン実現型人事評価制度®」を日本で初めて開発、独自の運用理論を確立した。
導入先では社員の評価納得度が9割を超えるなど、経営者と社員双方の満足度が極めて高いコンサルティングを実現。その圧倒的な運用実績を頼りに、人材育成や組織づくりに失敗した企業からオファーが殺到している。
業界平均3倍超の生産性を誇る自社組織は、創業以来、増収を果たす。2012年には、地元九州から東京に本社を移転し、全国的にもめずらしい人事評価制度専門コンサルタントとしてオンリーワンの地位を築く。
著書に『小さな会社はリーダーを人事評価制度で人を育てなさい!』『「一生懸命」な「まじめ」社員を『稼げる』人材に育てる法』(以上、KADOKAWA中経出版)などがある。1966年、福岡県飯塚市生まれ。
人事評価制度をつくる際に意外と時間や手間がとられるのが、シート作成です。本書には人事評価制度づくりに必要な9つのテンプレートデータがついているので、シート作成の手間が省け、人事評価制度づくりに専念することができます。
「人事評価制度をつくるなんて、難しそう・・・」と思われるかもしれませんが、図解を多く使って説明しているので、一目見ただけでもわかりやすくイメージがしやすくなっています。
事例は実際にクライアントが使っているものをなるべく形を変えずに掲載しています。実際に人事評価制度をつくる際に読者が自分の会社に置き換えて考えやすいように工夫してします。
本書では、中小企業で理想の組織が実現できる「ビジョン実現型人事評価制度®」という仕組みづくりと、その実践方法を3つのSTEPで解説しています。
「ビジョン実現型人事評価制度®」を運用すると、次のような効果が期待できます。
・将来を担ってくれるリーダーが育つ
・社員全員が経営理念や方針にそって成長する
・ほしい人材が採用できる
・会社のビジョンが実現できる
なぜならこの制度には「理念やビジョンが社員に浸透する」「人材の成長サイクルが自然とまわるようになる」という2つの大きな特徴があるからです。
理念やビジョンが浸透すれば、社長と社員全員が同じ目的目標に向かって仕事に取り組みます。人材の成長サイクルがまわっていくことで、社員は成長意欲をもって、自ら学び、課題にチャレンジしながら成長します。そして、それが会社の成長にもつながります。
読めば必ず課題解決のヒントが見つかります。
中小企業の社長、リーダーの方々に手に取ってほしい一冊です。
はじめに
付録CD-ROMの使い方
PROLOGUE
「企業が継続的に成長・発展するためには何が必要でしょうか」―。
「強い営業力」「付加価値の高い商品」「効率的な組織運営のシステム」、
きっといろいろな答えがあるでしょう。もちろん、いずれも間違いではありません。
ただ、1つだけ確かなことは、会社は周囲と共存することで存続できるということです。
つまり、世の中から「支持されること」で会社は生きているのです。
多くの会社の場合、立ち上げ当初はお客様の数はほんのわずかです。
しかし、その数名のお客様に繰り返し利用してもらうことで、次第に支持を得ていきます。口コミから広がり、お客様の数も増え、売上はだんだんと大きくなっていきます。
お客様の数を増やしながら、一生懸命に企業活動を続けると、
「あの会社は地道にがんばっているな」
「お隣さんもいつも利用しているみたいよ」
などと、取引先や地域の認知度も高まってくるでしょう。
支持される範囲が広がり、信頼度も高まると、
「当社の在庫を把握しながら商品を供給してくれるから助かるよ。ずっと今の品質を維持してほしいね」
「ウチの子どもがここのケーキじゃないとイヤだって聞かないのよね。なくなったら困るわ!」
という声が強くなり、「あの会社があってよかった」という人が多く出てきます。
ここまでくると、「世の中になくてはならない会社、会社から支持される会社」といえるでしょう。
私たち中小企業が支持を広げていくにはどうすればよいか。
すぐに思いつくのは、商品開発や広告宣伝を行い、お客様にアピールしていく方法です。
たしかに資金力のある大企業であれば、設備投資や研究開発費に投資ができます。広告宣伝費を使って、テレビCMなどで一気に支持層を伸ばすこともできるでしょう。
ところが中小企業では、多額のお金を使って支持を集めることは不可能です。
よく事業を成功させるためには、「ヒト」「モノ」「カネ」が大事といわれていますが、「モノ」と「カネ」だけでは必ず大企業に負けてしまいます。
そこで残る要素が、「ヒト」なのです。
「ヒト」にスポットを当てて支持を広げていくには、一体どうすればいいでしょうか。
これは、みなさんが長く支持し続けている会社のことを考えてみましょう。おそらくみなさんは、その会社の商品やサービスだけを支持しているわではないはずです。
素敵な笑顔に出会うためにお店に通い続けている人もいるでしょう。
なじみのスタッフと話をするのが目的の人もいるはずです。
社長の考え方に共感して付き合いをしている会社もあるかもしれません。
要するに、お客様や地域から支持されるのは、「ヒト」がきっかけになっている場合が多いということです。
人と人との関係づくりが大きな信頼となり、お客様はもちろん、地域や社会とのつながりに発展していくのです。もちろん、こうした関係を築いていくのは簡単なことではありません。
会社とお客様をつなぐ「社員」の質を高める必要があるからです。
理想は、お客様のことを第一に考え、地域からも、会社からも求められる人材です。
私はそんな人材づくりを目指して、中小企業と14年間向き合ってきました。
その結果、多くのクライアントを、全社員がイキイキと輝き、誰もが「あの会社が成長しているのはなぜだろう」と知りたくなるような会社に導いてきたのです。その取り組みをみなさんと共有するのが、本書の目的です。