経営理念を実現するための基本方針(経営方針)とは?作り方や事例を紹介
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- 会社の基本方針の作り方がわからない…
- そもそも基本方針の役割って何?
本記事では、こうした基本方針(経営方針)の疑問にお答えします。
自社の経営理念を実現するためには、基本方針(経営方針)を掲げ、会社の目指すところを社内外に向けて明確にすることが重要です。
では、基本方針を作るには、どのような方法をとればよいのでしょうか。会社の基本方針(経営方針)の作り方、事例をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
会社の基本方針(経営方針)とは?
会社の基本方針とは、経営理念を実現するための会社の基本的な姿勢や考え方を示すものです。どういう考え方や方向性で経営理念を実現するのかを、基本方針によって明確にします。
会社によっては「経営方針」と表現する場合もありますが、「経営方針」は「基本方針」と同義です。基本方針を明確に打ち立てることにより、方針に沿った経営戦略を打ち出すことが可能になります。会社の今後の方向性を決め、戦術を練っていくために、非常に重要な役割を担っています。
- 基本方針は、経営理念を実現するための会社の基本的な姿勢や考え方を示すもの
- 基本方針は、経営理念の実現の仕方を明確にするもの
- 基本方針と経営方針は同義
基本方針(経営理念)の役割
基本方針の大きな役割は、経営理念を実現することです。よって、基本方針は経営理念がなければ作れません。また、基本方針は行動理念の基準となるものです。つまり、会社の理念・指針は、以下の順番で考えます。
「経営理念」→「基本方針(経営方針)」→「行動理念」
基本方針のもととなる経営理念の作り方については、以下の記事を参考にしてください。
経営理念とは?社員の成長が加速する経営理念の作り方 5つのステップ、参考にしたい事例7つも紹介
基本方針(経営方針)の作り方
では、いよいよ基本方針の具体的な作り方をご案内していきましょう。基本方針作成のポイントは、「5つの視点で考える」「ストーリー仕立てで考える」の2つです。順にご説明します。
5つの視点で考える
基本方針を、「経営理念を実現するための考え方」と捉え、次の5つの視点を明確にしましょう。
- 【顧客】経営理念を実現するためのお客様に対する会社の姿勢・考え方
- 【商品】経営理念を実現するための商品に対する会社の姿勢・考え方
- 【社員】経営理念を実現するための社員に対する会社の姿勢・考え方
- 【会社】経営理念を実現するための会社に対する会社の姿勢・考え方
- 【地域】経営理念を実現するための地域に対する会社の姿勢・考え方
ほか、「業界」や「取引先」を加えてもいいでしょう。いずれにせよ、基本方針を徹底していけば経営理念が実現できる、近づけるというものでなければなりません。
ストーリー仕立てで考える
経営理念を実現できる基本方針にするには、それぞれの基本方針(上記5つの項目)をつなぎあわせ、ひとつのストーリーにします。たとえば、次のような表現になります。
【小売業の場合】
<経営理念>
お客様と地域に愛され、全社員の幸せを実現する
<基本方針>
シンプルで愛着の持てる商品を提案し続け(商品)、
お客様のライフスタイルを豊かにし(顧客)、
全社員の成長と夢の実現を支援し(社員)、
地域で必要とされ、なくてはならない会社(会社・地域)を目指しながら、
お客様と地域に愛され、全社員の幸せを実現(経営理念)できる会社に近づいていく。
このように、5つの基本方針をつなげて文章にしたときに、経営理念が見えてくるかが重要です。
基本方針(経営方針)の事例3つ
ここで、基本方針の事例を2つご紹介しておきます。ぜひ参考にしてください。
小売業の事例
【商品】心と体を豊かにする商品・サービスを提供し続けます
【お客様】真心を込めた対応でお客様に感動をお届けします
【社員】社員の人間力の向上を支援します
【会社】働きがいと誇りを持てる環境を提供し続けます
【地域・社会】地域で愛され続ける会社を目指します
法人ビジネスの例
【商品】期待を超える提案で、お客様の悩みを解決し続けます
【お客様】お客様と一生おつき合いできる関係づくりを目指します
【社員】社員全員が成長し続ける機会を提供し続けます
【会社】希望と未来が描ける会社を実現します
【地域・社会】中小企業の発展に貢献し続けます
基本方針(経営方針)の徹底で経営理念の実現に近づける
基本方針が徹底されれば、経営理念の実現に近づけるよう、きちんと突き詰めて考えるのがポイントです。事例のような社員が目指す方向を明確にした基本方針が作成されたなら、社員の行動規範として十分使えるものになるでしょう。基本方針ができたら、それを軸に行動理念を考えていきます。
行動理念が明確になれば、社員たちの仕事に対する考え方やかかわり方が、きちんとそろいます。バラバラだったベクトルが一つになることで、会社も社員も大幅にレベルアップしていくことでしょう。社員たちに具体的な行動や考え方を示すためにも、まずは基本方針をしっかりと整えましょう。
おわりに:基本方針を人事評価制度に連動させる
経営理念、基本方針、そして行動理念を明確に掲げることができたなら、次はそれらを人事評価制度につなげる番です。会社の理念を人事評価制度に反映させられれば、理想の人材を育てる仕組みが手に入るでしょう。
会社は理想の人材を手に入れ、社員は自分が成長し、会社に貢献することで幸福度アップを実感できる。それこそが、会社成長につながる最高の状態ではないでしょうか。基本方針は、定めただけでは絵に描いた餅に終わってしまいます。ぜひ、人事評価制度に連動させ、企業力アップに役立てましょう。
この記事を監修した人
代表取締役山元 浩二
経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)、『小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である『【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。
日本人事経営研究室は仕事創造型人材を育て、成長し続ける強い企業づくりをサポートします
私たち日本人事経営研究室は、"人間成長支援"をミッションとし、
中小企業の持続的成長をサポートしています。
「人材」ではなく「人間」としているのには、こだわりがあります。
それは、会社の中で仕事ができる「人材」ではなく、仕事を通じて地域や環境、社会に貢献できる「人間」を育てる事を目指しているからです。
日本人事経営研究室では、そのために必要な「人」に関するサービスや情報を提供しています。