さて、今回は「組織を崩壊に導くダメリーダーの見分け方」についての3回目です。
今日のお話しは、社長にとって絶対起こってほしくないできごとかもしれません。
それは、社員(リーダー)の“使い込み”です。
実は、評価制度の導入、運用でリーダーの“使い込み”が明確になる、というケースが非常に目立つのです。
全ての“使い込み”が明るみに出たかというと、そうではない可能性もありますが、これ以上は起こっていないと私自身も信じたいです。
ここ3年で約100社中5社の会社で評価制度を運用していく中でリーダーの“使い込み”が発覚しました。
もちろん本人は全員会社を去って行っています。
中には5年以上も使い込みを続けて、隠し通していた人もいました。
きっかけは、すべて部下の訴えからでした。そう、社長は気づかなくても部下は知っていたというパターンがほとんどだったのです。
ではなぜ、これまで社長もまったく気づかなかった使い込みが評価制度を導入することで明確になったのでしょうか?!
理由は2つ、「理念の共有」と「評価される」という点からだと考えられます。
一つ目の「理念の共有」からご説明します。私たちが支援している「ビジョン実現型人事評価制度®」は必ず「経営理念」や「会社の経営姿勢」「社員の行動理念」等を明確にし、組織への浸透を図りながら人事評価制度を構築、導入していきます。
具体的には「関わる人の幸せ」「地域・社会への貢献」「顧客へのお役立ち」等の会社の価値観や存在意義、「素直な心」や「顧客の幸せ」、「チームへの貢献」等の社員に求められる仕事に対する考え方、価値基準を明確にし、実践できているかを評価に結び付けていきます。
しかし、この“使い込み”という人を欺いて自分の利益のためだけに不正を働く行為は、これらの価値基準に最も反した社員の行動なのです。
そこで、会社の将来を真剣に考えてくれている部下たちが、「このままでは、自分自身が会社にいることができなくなる。社会の中でも認められない存在になってしまう」「会社が大きくなって表ざたになったら、会社の存続自体が危うくなる」と感じて勇気を出して話してくれたのでしょう。