「会社方針・戦略」に基づいた評価基準:人評価制度つくり方講座2

「会社方針・戦略」に基づいた評価基準:人評価制度つくり方講座2

前回は【評価基準】の考え方の切り口として
(1)会社方針・戦略に基づいた内容
(2)役職に基づいた内容
(3)部署の課題、改善点に基づいた内容
(4)現状やっている仕事に基づいた内容
で考えくださいというお話をしました。
 
内容のお話をする前に考え方はこの一つだけではないという点をあらかじめおことわりしておきます。他にも色々な考え方があるのですが、一番まとめやすい考え方を中心にお話を進めます

 
まず、『会社方針・戦略に基づいた内容』についてですが、どこの会社でも将来のビジョンや方針、目標とそれを達成していくための戦略があると思います。(まだ具体的になっていない中小企業も多いでしょうが・・・)
 
で、将来に向けての戦略があると仮定すると、それは、現在行っている仕事以外でやらなければならない仕事があるということになります。これを必ず評価基準の中に入れ込んでいかなければなりません。
 
【評価基準】の中でも一番重要な部分になります。評価基準は会社の経営目標を達成するために作成するというお話をしたと思いますが、そのための部署ごと、および社員一人一人の役割を【評価基準】に落とし込んでいくことになります。
 
『会社方針・戦略に基づいた内容』はそういった意味で一番大事な部分になってきます。 
ということは・・・・・・会社の目標、戦略やそれに伴って各部門がどのような役割を担っていくのかということが具体的に決まっていない会社はそちらを考えていくのが先だということになります。
 
ですから、『経営計画』が存在しない会社は先に作成してください。綿密に詳細まで作成する必要はありません。今、社長の頭にある将来に向けての計画の中で、『現状の仕事にプラスして社員にやってもらわなければならないこと』を具体的に明確にするだけでも結構です。
 
念のために補足しておきますが、ポンとつくった経営計画が良いというわけではありません。そんなに簡単に会社が成長できる戦略が出てくるはずはありませんからね。評価基準の作成を急ぐためには簡単に戦略を整理する必要があるということです。
 
戦略や計画、新しく取り組まなければならない仕事が決まったら、それを箇条書き程度の短いことばで表現し、部門ごとに整理してみましょう。

 
例えばルート営業中心に営業展開していた企業が新規取引先を3年で100件増やすとしたら何が必要でしょう。
 
■営業部門
・新規開拓専門部署をつくる
・営業エリアの拡大(福岡市内から近郊郡部まで広げる)
・新規開拓の営業手法(マニュアル)を確立
・進捗状況、対策会議を週1回開催
・専任営業マンの採用
 
■総務部門
・新規訪問用会社案内の作成
・新規取引決定?決裁?口座開設?取引開始までの仕組みづくり
・それに伴った管理資料の作成
・新規採用に伴った準備
 
等々まだまだ、たくさん出てくるでしょう。 

まとめますが、このように『会社方針・戦略に基づいた内容』を【評価基準】に反映するには「経営計画を作成して、部門毎に新たに発生してくる仕事を明確にすること」が必要になってきます。
 
どうですか、経営目標を達成するための【評価制度】づくりも意外と大変でしょう?
 
最後に「経営計画がないということは完成図がない状態でジグゾーパズルを社員にやらせているようなもの」ということを聞きました。会社の将来像がわからないまま現在の自分の仕事に取り組んでいるということですね。
 
どんなパズルが完成するか社長は怖くないのでしょうか・・・