前回から人事評価制度改革に取り組むときに、社長の決断を鈍らせる3つの心配事について書いています。
その3つの心配事とは…
1)社員のモチベーションが下がらないだろうか
2)社員から不満が出るのではないだろうか
3)辞める人が出てくるのではないだろうか
この3つでしたね。
しかし、この3つの心配事は会社の将来を考えると、起こってくれた方がよい歓迎すべきことで、全く心配することはない、ということをお話しました。
どういうことでしょうか?!
今日はこの中の2)
「社員から不満が出るのではないだろうか」
についてお話しましょう。
結果からズバリ言うと、社員から不満は出ます!
不満が全く出ない人事評価制度改革はあり得ません!!
多かれ少なかれ不満は出ます。例えば、
「評価結果に納得できない」
「このままでは俺の給与は下がってしまうのでは?!」
「今の上司に評価されるのが気に入らない」
「下から(部下から)の評価も導入してほしい」
「評価が厳しく、やる気が下がる」
「上司は具体的に何を目標にどう頑張ったらいいか指導してくれない」
しかし、ここでよく考えてほしいのです。
これらの不満は本当に新しい『人事評価制度』に対する不満なのでしょうか?
そうではありません。
実は、これらの不満は初めから社員が持っていた不満なのです。それが、『人事評価制度』を導入することで具体的に明らかになってきただけなのです。
例えば、本来はなんとなく自分の給与が低いと思っていてもその比較や根拠がなかったから言い出せなかっただけなのです。
「こんなに頑張っているのに、部長はあまり評価してくれないな~」と思っていても、標準はどこで、何点くらい低く評価されているのかがわからなかったから具体的に言葉に出さなかっただけなのです。
言いかえると、これまでは社員が口に出して言わなかったため、水面下に潜伏していた不満を、『人事評価制度』の導入で”見える化”することができたのです。
隠れていたものが具体的になったので、その対策方法や手順も明確にすることができます。
”会社の将来を考えると、起こってくれた方がよい”と私がいう意味がおわかりいただけると思います。
こういう不満をそのままにしておくとどうなるか?!
会社に見切りをつけて社員の方から黙ってやめていってしますのです。
しかも、優秀な人から順番に!