前回のお話で人事制度は給与に格差をつけることが目的ではないということは十分お分かりいただけたかと思います。それでは、具体的な給与制度の設計手法の話に今日から入っていきたいと思います。
今日公開する給与の設計手法ですが、私がお手伝いした中で最も一般的なパターンのお話をします。もちろん、方法はこれ一つではありません。という前提でお読み下さいね。
また、人事コンサルタントのなかでは脈々と給与の仕組みの必要性を説く方がいらっしゃいますが、既に『必要』と思っていらっしゃる方へその設計手法をダイレクトに書いていきます。
まず、給与の支給項目
(1)本給
(2)仕事給
この2本立てで基本給を構成します。
次に支給項目それぞれの性格ですが、
(1)本給
基本的には下がらない(降格時は下がる)
年1回定期昇給をする
積み上げ式である
評価結果で昇給額に差をつける
(2)仕事給
金額が上下する
評価期間ごとに見直し
洗い替え方式である
当然評価結果を反映する
具体的にそれぞれのテーブルはこんな感じです。
【本給テーブル】
〔007で設定したグレード(等級)に応じて〕
・S1グレード
S-4,000円
A-3,000円
B-2,000円
C-1,000円
D-0円
・S2グレード・・・・・・・
本給はあくまでも昇給のみのテーブルです。
【仕事給テーブル】
・S1グレード
S-100,000円
A-98,000円
B-96,000円
C-94,000円
D-92,000円
・S2グレード・・・・・・・
仕事給はもらえる金額のテーブルです。
本給は全グレード同額で導入する場合もあります。
仕事給は上位グレード(等級)に行くほど、金額、差額とも大きくなるように設計します。仕事給金額設定の目安は現在の社員の基本給の例えば50%の金額を基準にして決めていきます。
まずはここまで設計してみてください。金額が合わなければまた修正していけばよいので最低仕事給のグレード、評価結果ごとの金額テーブルを設計してみてください。
次回は、設計した給与テーブルをどうやって現在の社員に当てはめるかをお話します。給与の話しはあまり面白くないかもしれませんが、ここを聞きたいという方もいらっしゃるのでもう少し我慢してくださいね。
↓次回講座はこちら
人事制度の目的は「社員の育成」:社員と業績を伸ばす人事評価制度つくり講座1
給与の移行方法:社員と業績を伸ばす人事評価制度つくり講座3
昇進昇格制度の設計方法〜判断基準例を紹介:社員と業績を伸ばす人事評価制度つくり講座4