社員が成長する組織作りの6つのポイント、経営理念・ビジョンの浸透がカギ
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- 社員が成長する組織作りがしたい
- 優秀な人材が次々と辞めていってしまう……
- 今後、自分の会社はどのように進めばいいのか?
本稿では、こういった疑問に対するヒントをお教えします。
会社を経営していくにあたって、売り上げをアップさせるような組織作りや社員の育成は必要不可欠と言えるでしょう。しかし、これらの具体的な方法は一見複雑で、こういったメソッドを把握・実践している経営者は意外と少ないもの。
ですが、社員を成長させていくために必要な組織作りのポイントは、実は至ってシンプルなのです。これらのポイントに共通するキーワードは、一見人材育成とは程遠くも見える「人事評価制度」。
以下では、このキーワードを元に組織作りのポイントを読み解いて行きます。
社員が成長する組織作りの6つのポイント
社員を成長させ、会社にも成長曲線を描かせるための「組織作り」のポイントは、以下の6つにまとめられます。
- 「経営理念」「ビジョン」を社員に浸透させる
- 会社全体で「目的・目標」を共有する
- 「経営計画書」と「人事評価制度」を連動させる
- 「行動理念」を明確にし浸透させる
- 自社が5年後に描く「ビジョン」を考える
- リーダー格となる社員を選定・育成する
社員を育成するための方法と言えば、一般的には「研修を受けさせる」「何かの役職を任せる」「マンツーマンで指導する」などといったものが思い浮かぶでしょう。しかし、これだけでは単なる「手法」を行っているに過ぎず、根本的なポイントを抑えられているとは言えません。
そこで必要になってくるのが、人材を会社の資産として活用し、会社が望む方向に社員を成長させるための「人事評価制度」、そしてそのための基盤作りなのです。
では次に、上述したポイントを一つひとつ解説しながら、強い組織作りを目指すための人事評価制度についてご説明していきます。
「経営理念」「ビジョン」を社員に浸透させる
まず一つ目に、会社の持つ「経営理念」や「ビジョン」を社員に教育し、浸透させることが何よりも大事です。
とある調査によると、転職を希望する社員のほとんどは「自分の将来性が見えない」という理由で転職を決意したのだそう。つまり違う見方をすれば、「将来性がきちんと見えている会社に勤めたい」という意思表示でもあるのです。
つまり、会社に勤めている優秀な人材を手元に置いておくためにまず必須なのは、「経営理念」「ビジョン」を明確にし、会社の中へ浸透させることだと言えるでしょう。
会社全体で「目的・目標」を共有する
そして次に行うべきは、会社のビジョンに向かって協力する体制を整えるべく、会社全体での目的や目標を共有しておくことです。
これにより、組織を構成する社員が同じ方向を向き、部門やチームを問わず全体で協力し合える関係を築くことが出来るでしょう。
そして、こういった関係を築くために必要な具体的な施策こそ、ここで述べた「目的・目標の共有」と、次に述べる「『経営計画書』と『人事評価制度』の連動」なのです。
「経営計画書」と「人事評価制度」を連動させる
恐らく多くの会社には経営計画があり、人事評価制度も導入されていることだと思います。ですが、これらが存在しているだけでは、きちんと人事評価制度が機能しているとは言えません。
その理由は、経営計画書と人事評価制度が連動しておらず、本来会社と社員を成長させていくためにある2つがちぐはぐに動いてしまっているからなのです。
この2つの仕組みをきちんと連動するように設計・運用し、適切な評価を下せるような仕組みを作ることこそ、企業の成長に必須であると言えるでしょう。
経営計画書と人事評価制度の作り方は、以下の記事をご参考ください。
人事評価制度とは?人事評価制度・経営計画の作り方まとめ、全社員がビジョンに向かって成長する仕組みづくり
「行動理念」を明確にし浸透させる
そして次に考えるべきは、経営理念の実現に向けて実践すべき行動を明確にした「行動理念」を打ち出し、社員へと浸透させていくことです。
いくら経営理念やビジョンが定まっていたところで、どのように行動すればよいのか分からなければ社員は動くことが出来ません。
あえて行動の方針や目的を明文化し、それを求めていくことで初めて社員の進むベクトルが一致するのです。
自社が5年後に描く「ビジョン」を考える
続けて、社員のモチベーションアップを目指すべく「自社が5年後に描くビジョン」を考えてみましょう。
5年後のビジョンを考えるためには、「業績数値で示す定量ビジョン」「会社の状態を表す定性ビジョン」の2つを考え、それらを合わせて最終的なビジョンを打ち出すと良いでしょう。
ワクワクするビジョンがそこにあるだけで、社員の働くモチベーションはぐんと上昇します。「都内の業績No. 1を目指す!」「平均給与3割アップ!」と具体的な目標があるだけで、会社への求心力は高まって行くのです。
リーダー格となる社員を選定・育成する
そして最後に考えるべきは、会社の成長を支えるために社員の中でもリーダー格となる社員を選定・育成することです。
これ関してはもう少し詳しい記事がありますので、是非こちらをご覧下さい。
リーダー育成は経営理念の共有がカギ!リーダーを成長させるプロセス
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組織作りには明確なビジョン・経営理念が不可欠
これらのポイントをご覧になった皆さんならもうお分かりでしょうが、強い組織作りをして会社を成長させるためには、とにかく明確なビジョン・経営理念が不可欠なのです。
ビジョン・経営理念があるからこそ社員の向く方向を一つにし、モチベーションを向上させ、人事評価制度や経営計画書を連動させ、将来的なビジョンを考えることが出来ます。
逆説的に言えば、確固たるビジョン・経営理念がない企業は衰退して行ってしまうということ。経営者の皆さんはこれを機に、きちんとしたビジョンや経営理念を練り直し、あるいは見直してみましょう。
組織を発展させていくには人事評価制度が必要
明確なビジョン・経営理念を打ち立てたなら、それらをベースに人事評価制度を刷新しましょう。今までにはあまり語られてこなかった考え方ではありますが、日本の中小企業が成長、発展していくためには、次の3つの考え方が必要です。
小さな会社にこそ「人事評価制度」が必要
中小企業のなかには、明確な評価の基準がない会社がたくさんあります。「数人だけだから、仕事ぶりはちゃんとわかっている」と思い、ボーナスの時期になるたびに社長が鉛筆なめなめ報酬を決めていませんか。
きちんとした評価基準がなければ、社員は離れて行ってしまいます。潤沢な資金がなく、魅力あふれる福利厚生なども用意できない中小企業だからこそ、組織を発展させていくためには「人事評価制度」が必要なのです。しっかりした評価制度があれば、社員の信頼は高まり、帰属意識がアップします。評価制度を、企業の強みにしましょう。
「人事評価制度」は人材を育成するための仕組み
「人事評価制度」は、給与やボーナスを決めるためだけの仕組みではありません。会社に貢献し、自己実現のために成長していく人材を育成するための仕組みです。
評価を伝え、給与を決めるだけではなく、各社員のスキルアップやモチベーション向上のために「人事評価制度」を利用しましょう。そのためには、会社と社員の未来を見据えた制度設計が不可欠です。
「人事評価制度」は「経営計画」を達成するための仕組みの一つ
「人事評価制度」は、たんに成績や勤務態度を評価するためだけのものではありません。「経営計画」を達成するためのツールの一つです。
「経営計画」を打ち立てたら、「計画達成のためにはどんな社員が必要か」を考え、それを評価制度に反映させることが大事になります。社員が評価を上げようとがんばるほど、理想の人材に近づいていきます。その姿は社員をいきいきと輝いた存在へと押し上げますし、会社の成長にもダイレクトにつながっていくのです。
こうした3つの考え方からできあがったのが、「ビジョン実現型人事評価制度®」という独自の仕組みです。私はこの制度設計を打ち立て、「成長・進化し続ける組織作り」という目的に向かって、クライアントを支援し続けてきました。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
ビジョン実現型人事評価制度®・経営計画書の作り方総まとめ
設計と運用を必ずセットに
経営理念・ビジョンは、掲げただけで終わりにしてはいけません。「経営計画」と「人事評価制度」も、設計しただけでは絵に描いた餅に終わります。これらは、運用してこそ初めて効果を発揮するものです。
「人事評価制度」を設計、導入しても、なかなか運用までたどり着けない中小企業が数多く存在します。しかし、「人事評価制度」の目的は、人材育成を通じた「経営計画」の達成です。そして、最終的なゴールは、社員全員が豊かになり、幸せを実感できることです。
経営理念・ビジョン、そして「経営計画」や「人事評価制度」運用のためには、次の3点を意識しましょう。
全社員の目につく場所に掲げ、浸透させる
経営理念・ビジョンは、経営陣だけで共有するのではなく、全社員で共有し、浸透させることが大事です。そのためには、社員手帳の中に理念やビジョンを記載したり、目に付くところに理念やビジョンをプリントした紙を貼って朝礼時に唱和したりなど、とにかく見える化しましょう。
「経営計画」や「人事評価制度」も、経営理念・ビジョンと同様に、全社員に公開し、目に付くところへ貼っておきます。計画や制度設計の内容は分厚いファイルに収められがちですが、誰でも目にできるところへ、1枚の紙に表現することによって、よりいっそう浸透しやすくなります。
トライアル運用を繰り返しブラッシュアップする
制度を新しく導入すると、どうしても社員の反発を生みがちです。社員が受け入れてくれないために、せっかく作った制度も運用をストップせざるを得ないという事例がいくつもあります。こうした事態を防ぐため、制度を導入したら、まずはトライアル運用を行いましょう。
試しに運用してみて、社員の納得が得られなかったところは手直しをするといったことを繰り返し、制度をブラッシュアップしていきます。すると、制度そのものが利用しやすいものになるうえ、社員は「自分たちの要望が受け入れられた」と会社への信頼を高め、運用しやすい雰囲気が作られていきます。
一度制度を設計すると「この完璧な形を崩してはならない」と、経営陣は思いがちです。しかし、自社に合った制度かどうかは、運用してみないとわかりません。ときには思い切って修正することを繰り返していくのが、制度を持続させるコツです。
無理のない運用を意識していく
例えば査定基準をたくさん盛り込んだ「人事評価制度」を作成した場合、評価のたびに上司は大きな負担を強いられることになります。「正確な査定のためには、評価面談を充実させなければ」と意気込むと、面談の時間が長くなり、上司・部下ともに貴重な労働時間を削ってしまうことになります。
丁寧な制度設計は大事ですが、運用に無理が生じると、社員たちは疲弊していきます。シンプルにできそうなところはなるべくシンプルに、面談もあらかじめ「面談シート」を用意して制限時間を設定するなど、負担の少ない形にすることが重要です。
おわりに
今回は、社員が成長していくための組織作りと題して、経営理念・ビジョンの大切さや抑えておくべきポイント、「経営計画」と「人事評価制度」の連動性について解説しました。
再三再四となりますが、会社が成長するためにはまず経営理念やビジョンをきちんと見据え、それに沿った社員への啓蒙が必要となります。そして、それを元に筋道立った人事評価を行うことで業績は伸びていくものと言えるでしょう。
また、せっかく作った経営理念やビジョン、「経営計画」や「人事評価制度」は、絵に描いた餅に終わらせることなく、きちんと運用していきましょう。粘り強くブラッシュアップを繰り返し、自社オリジナルの制度を長く運用していけば、おのずと会社は成長します。
この記事を監修した人
代表取締役山元 浩二
経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)、『小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である『【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。
日本人事経営研究室は仕事創造型人材を育て、成長し続ける強い企業づくりをサポートします
私たち日本人事経営研究室は、"人間成長支援"をミッションとし、
中小企業の持続的成長をサポートしています。
「人材」ではなく「人間」としているのには、こだわりがあります。
それは、会社の中で仕事ができる「人材」ではなく、仕事を通じて地域や環境、社会に貢献できる「人間」を育てる事を目指しているからです。
日本人事経営研究室では、そのために必要な「人」に関するサービスや情報を提供しています。