人材育成のはじめの一歩!人材育成方針決定のための3つのステップ
企業の中長期的発展のためには、社員全体のスキルを高めていく必要があります。そのためには、軸となる育成方針を決めなければなりません。求める人材像をより具体的に打ち出し、社員研修や人事評価に落とし込みましょう。人材育成方針決定のための、3つのステップをお伝えします。
本文中で紹介している各種シートは記事下のフォームよりダウンロードしていただけますので、ぜひこちらを見ながらご覧ください。
1.現状の人材レベルを把握する
まずは、現状の人材レベルを把握するところからはじめなければなりません。今いる社員がどういったレベルに該当するのかを知らなければ、彼らをどこまでどのように導いていったらよいかがわからないからです。
具体的には、社長やリーダーが中心となって、現在の社員の「強み・長所」「弱み・短所・問題点」を徹底的に洗い出します。同じ意味のものは整理・統合します。こうすることで、解決するためにはどうすればよいかという対策も打ちやすくなります。
実際には、「長所・強み」よりも「弱み・短所・問題点」のほうが多く出ることでしょう。しかし、悲観的になる必要はありません。それは、伸びしろがたくさんあることを意味するからです。これは、社員のレベルアップに伴い、会社が成長する可能性を秘めているということになります。
正しく導くことができれば、会社が求める人材に成長してくれるはずです。
2.5年後の社員人材像を明文化する
現状の社員のレベルを把握したら、次は5年後の社員人材像を明確にしましょう。ここで大事なのは、会社の事業計画やビジョンを実現するためにどんな人材に成長してもらう必要があるかを考えることです。
人材の「強み」と「弱み」を照らし合わせて、それぞれの人材の「弱み」をどうすれば解決できるか考え、書き出してみましょう。次に、事業計画書や経営戦略を確認しながら、実現のためにどんなスキルが必要かを書き出します。リーダーには3~5項目、一般社員には5~10項目でまとめます。
どういうスキルを身につけて、どうなってほしいかを具体的に文章にすることで、現状とのギャップを明確にし、評価基準に落とし込むのがねらいです。この評価基準に沿って社員が行動してくれることで、社長が望む方向へ社員を成長させることができます。
3.ギャップを埋めるために必要な課題を洗い出す
現状の社員レベルと5年後の社員人材像が明らかになったところで、次はどうすれば社員たちがその目標レベルに到達できるのかを考えていきましょう。現実と理想の間にどれくらいのギャップがあるのかを知り、その差を縮める方法を考えます。
このステップで大事なことは、その差を縮めた先にどんな役割があるのか、それには何のスキルが必要なのかを考えることです。例えば、個人売り上げにこだわってきた社員に対し、5年後までにマネジメントとの役割を求めていくとしましょう。すると問われてくるのは、チームのために働く力です。効果的な時間の使い方や計画性、実行性が求められます。
5年後の社員人材像に合わせて、求めるスキルや役割を明確化すれば、それぞれの評価基準や社員教育へ具体的に落とし込むことができるでしょう。
まとめ
3つのステップを終えれば、会社の人材育成の方向性が自ずから明確になります。すると、社員教育や研修がより実りあるものに変身していきます。方向性が漠然としがちな新人研修やリーダー研修は、本来会社が求めるべきものと研修の内容がマッチしないときが少なからずあります。しかし、3つのステップに意識的に取り組めば、より効果的な研修が組めることは間違いありません。
また、漠然としがちな人事評価基準も、より具体性を帯びてくるはずです。ギャップを埋めるために必要な課題を評価基準に落とし込み、仕事上で実践してもらえれば、求める人材を目指せます。その達成度によって評価を下していけば、全社員が少しずつ理想の人材像に近づくことができるでしょう。
5年後の社員人材像を決めるためには、5ヵ年の事業計画と会社のビジョンを明確にしておかなければなりません。5ヵ年事業計画シートとビジョン実現シート®(★メルマガ会員登録で無料プレゼント)を使い、自分たちの目標を見える化し、より具体的に会社の求める人材像がはっきりとさせましょう。