その評価基準、伝わってますか?人事評価制度を機能させる為に必要な3つの準備
人事評価制度の改革を行うときには、全社員にその意義を必ず浸透させ、全員が同じベクトルを向いて仕事ができるようになるのが理想です。とはいえ、それは容易なことではありません。
そこで本記事では、新しい人事評価制度を十分に機能させるために、絶対に必要な3つの準備について解説します。自社の人事評価制度の見直し、改革の際にお役立ていただければ幸いです。
本文中で紹介している各種シートは記事下のフォームよりダウンロードしていただけますので、ぜひこちらを見ながらご覧ください。
その1 経営計画発表会を開催する
社員みんながイキイキと働ける人事評価制度を最善のカタチで機能させるためには、会社のビジョンを実現するための経営計画に沿った制度とすることが必要です。そしてそれを、まずは全社員に理解してもらわなければなりません。そこで必要なのが、経営計画発表会です。
プロジェクトの目的や会社の考え方・方針などを全社員に理解、共感してもらわなければ、いくら緻密で精度の高い評価基準を作ったところでうまくいきません。つまり、経営計画発表会で社長や幹部の想いをどれだけ伝えることができるか、これがプロジェクトの成功に大きく影響してくるのです。
経営計画発表会で伝える3つのこと
経営計画発表会では、次の3つを伝えることが主な目的になります。
- プロジェクトが会社の重要な経営改革であり、それに社長が本気で取り組んでいくこと
- 人事評価制度の目的は、経営目標を実現することと、そのための人材育成であること
- プロジェクトの成功には全社員の協力が欠かせないこと
成功のコツとしては、全社員に参加してもらうことはもちろんですが、社外の会場を借りて行うこともポイントです。それにより、経営計画発表会の重要性が伝わり、社員への意識づけ効果が高まります。
また、経営計画発表会は社長の想いやメンバーの決意を、全社員にぶつける機会です。必ずリハーサルを行い、本番では2時間以上をかけてじっくり説明するようにします。
終了後には懇親会を行ってコミュニケーションを深め、全員のベクトルを合わせるよう心がけましょう。
その2 「ジョブ・ヒアリングシート」で参加意識を養う
「経営計画発表会」を終えたら、評価基準を作るうえで参考となるデータを集めにかかりましょう。社員一人ひとりに協力してもらい、自分の仕事の現状を報告してもらいます。ここで役立つのが「ジョブ・ヒアリングシート」です。
社員一人ひとりに「現在の担当業務の内容、比重、課題」(シートⅠ)と、「本来やるべきだがとりかかれていない仕事」(シートⅡ)を記入してもらいますが、この2つのシートには、3つの役割があります。
- 評価基準のもとになるデータを集める
- 社員が自分の取り組むべき課題を把握する
- 社員自らがプロジェクトに参加している意識をもってもらう
とくに2と3を社員に実感してもらうことは重要です。本当はやるべきだができていない仕事は何かを問いかけることが、自分の仕事を振り返らせ、プロジェクトへの参加意識を持たせることにつながります。
その3 リーダーのための説明会を設ける
人事評価制度のキーパーソンは各プロジェクトのリーダーです。リーダーの意識づけに徹底して取り組むことが、プロジェクト成功のカギになります。リーダーとして組織を強くするためにどんな役割を果たすべきか、チームや部署の課題をどう克服していくべきなのかを理解してもらいましょう。
そのためにも、リーダーには定期的に研修を開き、目標に対するすり合わせを行う必要があります。リーダーがうまく人を育てられるかどうかで、プロジェクトの成否が決まり、ひいては会社の未来が決まります。
まとめ
人事評価制度は、会社のビジョンを実現させるためのものです。ということは、ビジョンを全社員が共有していなければ、正しく機能させることは難しいでしょう。まずはそこを徹底すべく、経営計画発表会を持ちましょう。
そして、全社員に当事者意識を持たせるため、現在の仕事内容について把握する「ジョブ・ヒアリングシート」への記載を促しましょう。評価について最も重要な役割を果たすリーダーについては、別個に説明会を開催してください。
こうして、社員みんなにプロジェクトの重要性と当事者性をアピールすることができれば、新しい人事制度は最大限に機能します。全社員の「幸せ」実現のため、会社のビジョンに沿った人事評価制度を開発しましょう!
人事評価制度の作り方は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ一読ください。