中小企業に必要な組織マネジメントとは?「ヒト」を育てる組織づくりの方法
組織マネジメントといえば、大企業が大きな組織をコントロールするために行うものというイメージを持っていませんか。実は、中小企業にこそ、組織マネジメントは必要です。とくに「ヒト」を育成する仕組みが、中小企業の生産性を大きく変えていきます。組織マネジメントの役割と、仕組みの作り方について解説します。
組織マネジメントとは
組織マネジメントとは、企業運営を効率的に行うための管理手法です。企業という組織の目的や目標を、最短で無駄なく達成するために経営資源を回していく仕組みを指します。
日本の中小企業の生産性は、大企業に対して0.41倍(2019年『中小企業白書』より)しかなく、その差は徐々に拡大しています。その原因の一つとして、組織マネジメントの仕組みがないことが考えられます。
中小企業の社長のなかには、自分自身も実務の中心となって働き、「働き方は社長の背中を見て学べ」と教えている人もいることでしょう。もちろん、抱える部下が少人数であれば、みんな社長の背中を追いかけていけます。しかし、スタッフが多くなるにつれ、社長は目の届く範囲での管理が難しくなり、スタッフは社長の背中が見えづらくなります。
スタッフ全員が追いかけていくべき「目的」や「目標」、会社のあるべき理想の姿が可視化されづらい中小企業にこそ、組織マネジメントは必要なのです。中小企業に実践してもらいたい組織マネジメントの鍵になるのが、経営資源の一つである「ヒト」の育成です。
組織マネジメントの役割
組織マネジメントの役割は、4つの経営資源である「ヒト」「モノ」「金」「情報」を最適に配分することです。4つの要素を具体的に説明しましょう。
「ヒト」は、正社員、契約社員、アルバイトやパートといった組織で働く人たちのことです。「モノ」は、生み出される商品などを指します。
また、モノを売ったり、ヒトに給与を支払ったり、生産のために機材を導入したりすることによって発生するのが「金」の動きです。新しい企画を発案したり、経営戦略のヒントを得たり、営業や広報活動に必要なのが「情報」の流れをつかむことです。
中小企業の組織マネジメントは「ヒト」が中心
企業を大きくしていくにはどうすればよいかを考えたとき、すぐに思いつくのは、商品開発や広告宣伝を行い、顧客にアピールしていく方法です。「金」と「情報」を使い、「モノ」を広めていきます。
ところが中小企業では、多額のお金を使って支持を集めることは不可能です。「金」では、必ず大企業に負けてしまいます。そこで残る要素が「ヒト」です。中小企業には、「ヒト」にスポットを当てて支持を広げていく方法が合っています。
あなた自身が支持し続け、ファンになっている会社のことを考えてみてください。おそらくあなたは、商品やサービスだけを支持しているわけではないでしょう。
「素敵な笑顔に出会うためにお店に通い続ける」「いつも役立つ情報を届けてくれる営業担当者に期待している」「社長のビジョンに共感できる」……そう、顧客や地域から指示されるのは、「ヒト」がきっかけになっている場合が多いのです。
人と人との関係づくりによって大きな信頼を生み出し、顧客はもちろん、地域や社会とのつながりを作っていくことこそが、中小企業の発展のカギになります。もちろん、こうした関係を築いていくのは簡単ではありません。会社と顧客をつなぐ「社員」の質を高める必要があるためです。
組織マネジメントの課題を解決する「ビジョン実現型人事評価制度®」
社員の質を高める組織マネジメントを解決するのが、「ビジョン実現型人事評価制度®」です。組織マネジメントに人事評価制度が最適と聞くと、驚かれる人も多いかもしれません。それは、「人事評価制度といえば、給与を決めるためのもの」「仕事ぶりを評価するためのもの」と考えているからでしょう。
人事評価制度の本来の役割は、給与を決めることや評価を下すことではありません。会社が望む方向に社員を成長させ、強い組織づくりを実現することです。人事評価制度というツールを使って組織マネジメントを行えば、「ヒト」を最大の経営資源に育てることが可能です。
「ビジョン実現型人事評価制度®」は、会社のビジョンを明確にし、経営計画を作成することから始まります。出来上がった経営計画を評価制度に落とし込み、しっかり運用したうえで人材育成に取り組むことができれば、社員全員が理想の会社づくりに向かって邁進することになるでしょう。結果、会社の業績はめきめきと上がっていきます。
ただし、経営計画も人事評価制度も設計しただけでは効果を得られません。効果を得るには継続して運用する必要がありますので、必ず「設計」と「運用」をセットで考えましょう。
「ビジョン実現型人事評価制度®」の具体的な作り方は、下記の記事を参考にしてください。
おわりに
中小企業が組織マネジメントを行うなら、「ヒト」「モノ」「金」「情報」のうち、「ヒト」の育成に特に力を入れるべきだということが、おわかりいただけたでしょうか。人材が持つ可能性は無限大です。社員の能力を最大限に発揮できる人事評価制度の仕組みがあれば、発展の起爆剤となることは間違いないでしょう。
優れた人事評価制度は、企業の発展に役立つだけではありません。社員にとっても、自分の未知なる可能性が引き出される職場にいられるのは、とても幸せなことのはずです。企業の発展が社員の幸せにつながる、理想的な環境を、人を育てる仕組みによって叶えましょう。