アクションプランのPDCA、リーダーを成長させる運用サイクル|人事評価制度・賃金制度のノウハウ | 日本人事コラム

アクションプランのPDCA、リーダーを成長させる運用サイクル

アクションプランのPDCA

  • リーダーの育成がうまくいっていない…
  • PDCAを人材育成に活用するにはどうすればいいの?

本記事は、こういった疑問をお持ちの方におすすめの内容です。

リーダーを飛躍的に成長させるには、アクションプランの運用が必須になります。アクションプランは、PDCAのサイクルを使って回すのが効率的で、かつ成果が出やすくなることをご存知でしょうか。

企業戦略を現実的なものにするために作成するアクションプランと、その運用方法として効果的なPDCAのサイクルについてご紹介します。

アクションプランとは

アクションプランとは、企業戦略を推進し、成果を出すために必要な実行計画のことです。戦略を具現化し、行動に移すためには、詳細な実行項目を設け、手順を定めていく必要があります。

例えば、「顧客情報の管理と活用の仕組みづくり」という「戦略」を具体的に進めていくには、「いつまでに」「どのようにして」顧客管理のフォーマットを決め、「誰が」それを作成し、「いつ、どのような場で」営業社員に説明し、「いつ」から実行するのかを決めなければなりません。これらの実行項目と内容、推進手順をスケジュール化するのが「アクションプラン」です。

アクションプランはPDCAで実行

アクションプランは、戦略を推進し成果を出すための仕組みです。成果に結びけるためには、ただ決めたことを実行するだけでは十分ではありません。必ず、PDCA(計画→実践→効果検証→改善・見直し)のサイクルを回す必要があります。

さらに、このPDCAを回すのは、現場のリーダーでなければなりません。リーダーがきっちり回すことによって、リーダー自身が学習し、成長していきます。

  • Plan(計画)
  • Do(実践)
  • Check(効果検証)
  • Action(改善・見直し)

アクションプランを運用する前準備

アクションプランを実行する前に、以下の3つのステップで準備をします。

  • 1:経営計画の作成
  • 2:経営計画実現のための戦略立案
  • 3:経営計画発表会

アクションプラン運用前にぜひ取り組んでいただきたいのが、3つ目の「経営計画発表会」です。経営計画発表会の目的は2つあります。

  • 全社員に会社の考え方を理解・共感してもらう
  • 社長とリーダーが決意を表すため

アクションプランは、経営計画を実現するための取り組みです。目指すべきゴールを共有するために、全社員に会社の経営計画を知ってもらう必要があります。限られた時間の中では経営計画の全てを伝えられないので、経営計画にそって成長発展することで、何を目指すのかをきちんと伝えるようにしましょう。

また、社員の前で、社長とリーダーが経営計画の実行する決意を表明するのも発表会を開催する目的です。リーダーに戦略の発表を任せ、実行管理責任者が自分たちであることを自覚させます。

発表会後に、社員が「早く取り組みたい!」とワクワクする内容が理想です。

成果につながる経営計画の考え方は、こちらの記事をご覧ください。

実績につながる経営計画とは?実践するための基本的な考え方

アクションプランのPDCAサイクル

アクションプランのPDCAサイクルは、次の通りです。

  • PLAN(計画):成果までのストーリーづくり
  • DO(実践):ストーリー通りに動かす難しさを知る
  • CHECK(効果検証):定期的なチェックの重要性を学ぶ
  • ACTION(改善・見直し):アクションプラン改善で仕事の質の向上方法を学ぶ

PLAN(計画):成果までのストーリーづくり

まずは、戦略を実行・実現するために、何をアクションプランとして行うのかを決めます。さらに、そのアクションプランを通じてどのような成果を目指すのか、数値で計測できるゴールを決めましょう。「金額」「比率」「時間」「件数」「個数」「人数」などを工夫して指標設定します。

次に、アクションプランをどういう手順で行っていくのかを具体的に決めます。ステップごとに箇条書きで明記しましょう。さらに、担当者・推進責任者を一人置きます。その後、推進手順を具体的なスケジュールに落とし込み、アクションプラン説明会などで全社員との共有をはかりましょう。

DO(実践):ストーリー通りに動かす難しさを知る

担当者がスケジュール通りにアクションプランを実行していきます。社員の協力がなければ進めることが難しいアクションプランも少なくありません。担当者は事前に入念なシミュレーションを行い、取り組んでいきましょう。

こうしたことを担当者である部門のリーダーが経験することによって、戦略を実行・推進できるリーダーとして成長していきます。

CHECK(効果検証):定期的なチェックの重要性を学ぶ

アクションプランの推進において、非常に重要な位置づけにあるのがこの「CHECK」です。その理由は、チェックを行う「アクションプラン会議」を通じて、PDCAを回すうえで最も重要な「CとAの準備」を行うからです。

アクションプラン会議では、推進責任者が取り組み状況の報告を行います。成果や課題を明らかにし、討議を行いましょう。全てのアクションプランについて、成果と課題を共有できるように、事前にレポートをあげておくことが重要です。司会者はあらかじめ会議の前にレポートを確認しておきましょう。

ACTION(改善・見直し):アクションプラン改善で仕事の質の向上の方法を学ぶ

「アクションプラン会議」での報告に対するアドバイスや意見をもとに、リーダーは新たな決定事項、実行内容の軌道修正、改善事項などを実行します。さらにCとAを繰り返し行うことで、リーダーの「アクションプラン」の推進能力は必然的に向上し、徐々に成果へと繋がっていきます。

リーダーは、苦労しながらアクションプランを推進し、成果を得ることを自ら体験することで、アクションプランの重要度と面白みを実感していくでしょう。この段階まで来て初めて、リーダーは自ら「戦略」やアクションプランを提案、推進しながら部門をマネジメントできる真の部門のリーダーになっていきます。

アクションプランでリーダーを成長させる

企業戦略を推進するためのアクションプランが、実はリーダーを成長させるための手段にもなりうることがお分かりになったでしょうか。より成果につなげ、リーダーを成長させるためには、改善・見直しの段階で必ずプラスアルファを加えてみることがポイントです。

仕事の質をアップさせるには、一気に進化、革新までできなくても、アクションプラン担当者が「変えてみる」「やめてみる」という視点で、何か一つでも違いを作り、同じことの繰り返しにしないことが重要です。効果検証の前後で、変化があるかどうかを常にチェックしましょう。

おわりに

アクションプランは、会社の成長戦略を具体的に実践し、さらにリーダーを爆発的に成長させるためのツールです。ぜひきめ細かな計画を作成し、PDCAを回してください。

何より会議を重ねることが、会社を成長させるアイディアを生み出す源泉になります。また、社員同士のコミュニケーションを活性化させるためにも、定期的に集まる場は大切です。

数年後には、たくましく成長したリーダーが、より洗練されたアクションプランを実践している姿が見られることでしょう。そして、会社自体もより一層成長していることは、いうまでもありません。

この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である「【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.co.jp/blog/

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