日本政府が「ニッポン一億総活躍プラン」で「同一労働同一賃金」の実現を目指す方針を打ち出しました。
同じ仕事なら同じ賃金を支払うべきだとの考え方です。
私は、この“同じ仕事”をもう少し明確にしないと、日本の企業はダメになってしまうと危機感をもっています。
「同じ仕事=同じ賃金」という言い方をすると、同じ業務に携わっている人は同じ賃金を支給する必要があると考えてしまいがちです。
この考え方からすると、同じ店舗で「接客・販売」を担当しているスタッフは、社員もアルバイトもみな同じ賃金を支給しなければならないとなってしまいます。
しかし、同じ「接客・販売」という仕事にもレベル差があるでしょう。
たとえば、
「来店したお客様に言われたことのみ対応、販売できるレベル」と
「お客様のニーズをこちらから探って、提案ができるレベル」
では「接客・販売」のレベルがまったく違うということはおわかりいただけると思います。
よって、「同一労働同一賃金」への企業側の準備としては、この仕事のレベル差を明確にしておかなければなりません。
これが明確になっていないと「接客・販売」に携わっているスタッフはすべて「同一労働」とみなされ、「同一賃金」を支払わなければならないということになってしまいます。
こうなってしまうと、会社は、スタッフの仕事レベルはアップしていないのに賃金だけ増大してしまい、経営を圧迫されるという状況になってしまいます。
この仕事のレベル差を明確にしたものが、「評価基準」であり、求められるレベルに対してどうだったかを判断するのが「評価」です。
今後はより「評価制度」の必要性が高まることは間違いありません。
経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である「【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。