日本政府が「ニッポン一億総活躍プラン」で「同一労働同一賃金」の実現を目指す方針を打ち出しました。
同じ仕事なら同じ賃金を支払うべきだとの考え方です。
私は、この“同じ仕事”をもう少し明確にしないと、日本の企業はダメになってしまうと危機感をもっています。
「同じ仕事=同じ賃金」という言い方をすると、同じ業務に携わっている人は同じ賃金を支給する必要があると考えてしまいがちです。
この考え方からすると、同じ店舗で「接客・販売」を担当しているスタッフは、社員もアルバイトもみな同じ賃金を支給しなければならないとなってしまいます。
しかし、同じ「接客・販売」という仕事にもレベル差があるでしょう。
たとえば、
「来店したお客様に言われたことのみ対応、販売できるレベル」と
「お客様のニーズをこちらから探って、提案ができるレベル」
では「接客・販売」のレベルがまったく違うということはおわかりいただけると思います。
よって、「同一労働同一賃金」への企業側の準備としては、この仕事のレベル差を明確にしておかなければなりません。
これが明確になっていないと「接客・販売」に携わっているスタッフはすべて「同一労働」とみなされ、「同一賃金」を支払わなければならないということになってしまいます。
こうなってしまうと、会社は、スタッフの仕事レベルはアップしていないのに賃金だけ増大してしまい、経営を圧迫されるという状況になってしまいます。
この仕事のレベル差を明確にしたものが、「評価基準」であり、求められるレベルに対してどうだったかを判断するのが「評価」です。
今後はより「評価制度」の必要性が高まることは間違いありません。
日本で随一の経営計画と人事評価制度を連動させた人材育成の仕組みづくりコンサルタント。
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1966年、福岡県飯塚市生まれ。