リーダーの育成が企業成長のカギ!中小企業のリーダーが次々に成長した仕組み
企業を成長させたいなら、人材育成にテコ入れしましょう。人材のうちでも、とくにリーダー育成に力を入れるのが成功のカギです。次のステージを支えるリーダーが育成できなければ、会社は路頭に迷います。しかし、理想のリーダーを育てるのは、どこも難しいようです。「手をつけたくても余裕がない」と思っている方に、リーダーが劇的に成長する仕組みをお伝えします。
成長を続ける企業はリーダーを育成している
結論から述べると、成長を続ける企業はリーダー育成にしっかりと取り組んでいます。リーダーの育成なくして企業は成長しないとも言えるでしょう。
イメージしやすいように、具体例として、ある中小企業3社で実際に起こった出来事をご紹介します。
- A社:ヒット商品を連発、売り上げ、利益とも急増
- B社:独自の技術で業界の注目を浴び注文が殺到、1年先までの受注を確保
- C社:マーケティングの仕組みがうまくいき、新規客があとを絶たない
この絶好調の3社は、いずれも前年比10倍以上の利益を残せました。しかし、「次の一手」が明暗を分け、成長を維持できたのは、たったの1社だけでした。各社の「次の一手」を比較してみましょう。
A社は、同業の大手優良企業で商品開発に携わっていた人材を、ヘッドハンティング採用しました。しかし彼は実績を上げないまま1年足らずで退職し、既存商品の販促も不十分で、ピークを過ぎた商品はどんどん売れなくなっていきます。2年後には、一旦増えた社員も次々に辞めて、以前よりも小さな組織になってしまいました。
B社は、コンサルタントに生産性向上のための改革を依頼しました。コンサルタントは効率化のための設備やシステムを提案し、思い切った投資が行われました。そのかいあって生産回数の半減に成功、受注分を大幅に前倒しして納品できるめどが立ちました。しかし、競合のD社がさらに上質な製品を開発。オーダーのキャンセルが相次ぎ、設備投資は借金と赤字を作っただけでした。
C社は、組織がさらに成長するためには、「人材育成の仕組み」が必要だと考えました。社長と幹部がセミナーや研修に自ら参加し、懸命に学びました。そのなかで、まずはリーダーの育成が必要と気づき、多忙なリーダーにあえて新たな目標と役割を持たせて徹底的に鍛え上げました。すると、着実に社員全員がレベルアップし、新規客を継続客にすることに成功。さらに圧倒的なファンになってもらう流れができ、さらなる発展を遂げました。
得られた利益を、リーダーの採用に投資するか、コンサルタントと設備に投資するか、人材育成に投資するかで、ここまで差がついたのです。
中小企業がリーダー育成に手をつけられない事情
リーダーを育成しなければならないのは痛感している経営者は多いでしょう。しかし、中小企業にとって、重要と分かっていてもなかなか手をつけられないことの1つが「リーダーを育てる」ことなのです。
リーダーが育たない会社では社長が一番忙しくしていて、後継者候補がいないため常に会社存続の不安がつきまといます。また、指導者がいないことから新人や若手が定着せず、社内の改善や改革が進みません。
会社が業績を上げ、次のステージに行くためには、リーダーを育成できるかどうかがカギとなります。しかし多くの中小企業では「必要性を感じたときだけ単発で研修や教育を実施する」「効果の検証が行われていない」「リーダーに任命した後に研修や教育に取り組む」といった現状で、これでは必要なスキルや知識がないままリーダーにならざるをえません。リーダーが育たないのも当然のことです。
なぜこのような状況に陥ってしまうのでしょうか。それは、「仕事を休止してまで教育をするなんて余裕はない」という考えの社長が多いためです。リーダーの育成には、時間もお金もかかります。大手企業と違って中小企業は資金力が乏しく、誰もが業務で手一杯です。そんな状況で、利益を稼いでもらう代わりに費用をかけて教育するのは厳しいでしょう。
結果、「習うより慣れろ」「知識・スキルは盗んで身につけろ」といった、個人任せ、あるいは放任主義にも近いような教育スタイルに陥りがちなのです。このように、教育に手をかける余裕がないというのが、中小企業でリーダーの育成が後回しになっている大きな理由の1つであることは間違いありません。
テキトウリーダーが育てるいいかげん社員
皆さんなら、次のどちらのリーダーのもとで仕事をしたいでしょうか。
- 部下が「この人が言うことなら何でもやってみて、お手本として吸収したい」と思わせるリーダー
- 部下が「こんな人には絶対になりたくない、、、この人が上司の間は、言われたことだけテキトウに仕事をこなしておこう」と思わせるリーダー
もちろん、誰もが前者のリーダーと答えるでしょう。理想的なリーダーは、会社にとっても社員にとっても必要な存在です。
しかし、現実には上に立つのが良いリーダーばかりとは限りません。後者のようなリーダーは、成長を促すところか、部下の成長の芽を潰してしまう危険性をはらんでいます。
例えば、「どうせ頑張ったって、この会社では認めてもらえないのだから、テキトウにやっとけ」と言うのが口癖のリーダーがいたとしまう。せっかく頑張ろうと入社した新入社員でも、こんなリーダーの元にいたのでは、いい加減な社員に育ってしまいます。「この人の部下でいる間は、最低限のことしかやらないようにしよう」という意識が生まれ、完全に潜在能力を抑え込んでしまうのです。
テキトウリーダーの元で育ったいいかげんな社員が増えると、会社に損害を与えるような重大なミスを侵す恐れがあります。一人のいいかげんなリーダーが、たくさんのいいかげんな部下を育てるのですから、会社は、実は大損です。
しかし、テキトウなリーダーにも、そうなってしまった理由があるはずです。もしかしたら、その人もテキトウリーダーに同じことを言われて育ってのかもしれません。「どうせ頑張ったって……」と言わせてしまう会社の仕組みが、つまり公平な評価と処遇が行われていないことが原因で、テキトウリーダーやテキトウ社員が育ってしまう、ということが少なからずあるのではないでしょうか。
中小企業のリーダーが次々に成長した仕組み
ここからは、中小企業のリーダーが次々に成長した仕組み作りの具体的な方法を紹介します。
リーダー育成は理念の共有から
リーダーの育成に取り組むと決めたら、まずは「考え方」、つまり会社の理念を社長とリーダーで共有することから始めましょう。「考え方」が徹底して共有できていれば、会社の方向性がブレることはまずありません。その結果、プラスの成果が生まれます。
間違った「考え方」のリーダーがいる部門は、メンバー全員が間違った方向を向いて仕事をしているかもしれません。そうなると、働き方のベクトルはバラバラになり、よい効果が生まれにくくなります。これは組織にとって大きな損失です。
一代で1兆円企業を築き、あのJALの再生を見事に成し遂げた稲盛和夫氏の考え方のひとつに、成果の法則があります。「成果=考え方×熱意×能力」という計算式です。これは、公式が示す通り、仕事の成果は「考え方」と「熱意」と「能力」のかけ算で決まるということです。
稲森氏によると、それぞれの要素の大きさの幅には、差があります。まず、「能力」。「能力」のレベルは、人によって0〜100までの差があるということです。「熱意」も、そのレベルは0〜100。しかし、「考え方」には、マイナス 100〜100までレベル差がある、つまり、マイナスの「考え方」があるというのです。
したがって、「能力」と「熱意」のレベルが100の人でも、「考え方」がマイナス100であれば、マイナス100万の結果になってしまうのです。一方で、たとえ「能力」と「熱意」が1であったとしても「考え方」が100であれば成果は100となり、前者より大きな成果を残すことが可能なのです。
リーダーの「考え方」が100になるか、マイナス100になるかは、社長が会社の理念をどれだけリーダーにたたき込めるかにかかっています。まずは、理念の共有からスタートしましょう。
経営計画書が理想のリーダーを育てる
理念を共有するために一番重要なのは、社長がリーダーと一緒に経営計画書を作成することです。会社の未来航海図である経営計画書で、会社の「理念」「方針」」「ビジョン」「戦略」を明確にします。自社の未来の航海図をリーダーと共に考え、作っていくことで、理念や方針を社長とリーダーがお互いに共有します。
経営計画書を作成するのは、市場の環境変化が速く、激しい現代だからこそ必要なことです。海が荒れているときこそ、慎重に、かつ詳細に航海ルートを決めましょう。
なかには、経営計画書があっても、数値目標が入っていなかったり単年度の数値目標しかなかったりする例が多く見受けられます。これでは将来のビジョンをリーダーと共有することができません。経営計画書をつくるときには、単年度だけではなく、できれば向こう5年間の数値目標を立てるのが理想です。
また、経営計画書の内容がリーダーの行動に落とし込めていない会社も多くあります。それは、落とし込むための仕組みがないためです。詳しい仕組みづくりについては後述します。
環境で変わるリーダーの成長度合い
仕事で成長できるかどうかは、サポート資源があるかどうかに大きく左右されます。社員のモチベーションがどんなに高くても、それを支える職場環境がなければ、成果は上がりません。いくらリーダーに能力があり、意欲を持って頑張っても、それを支え、支援する環境が揃っていなければ、成果には限界があります。
そして、社員の成長にとって大きな影響を与える「環境」を提供するのは、社長の仕事です。快適なオフィスや効率的なシステムなどの物質的な環境は効果的かもしれません。しかし、中小企業であればとくに、お金をかけて環境を充実させるのには限界があります。
リーダーが成長できる「環境」としてふさわしいのは、適正な人事評価制度をつくり、それを運用していくなかで指導者として鍛え上げられることです。手作りの人事評価制度であれば、コストは最小限に抑えられます。
人事評価制度で経営計画書を現場に落とし込む
リーダーと一緒に経営計画書を作成したら、必ず社員に浸透させる仕組みを作りましょう。その仕組みこそが、人事評価制度です。人事評価制度が、理念と現場をつなぐ接着剤の役割を果たします。
では人事評価制度でどうやって経営計画書を実践させるのでしょうか。そのメカニズムは、以下の通りです。
- 経営計画書の経営理念や行動理念、目標などを、評価基準の中で数値や文章にして落とし込む
- 経営計画書が落とし込まれた評価基準で評価を実施し、全社員の達成度や習熟度合いを判断し、明確にする
- 評価結果に基づいて、目標の達成や行動理念の実践のために、社員一人ひとりがどう取り組むべきかを目標設定し、実行内容を明確にする
- 個々人の目標、実行項目に基づいて実践、定期的にリーダーがチェックしながら達成に向けて支援する
これらを繰り返し、何度も行うことによって、全社員が会社の理念や戦略に沿った行動をできるようになります。そして、会社全体で目指す目標が達成されるようになっていくのです。
して何より、人事評価制度を運用することにより、社内のコミュニケーションの機会や量が圧倒的に増えます。そのコミュニケーションは、全て会社の考え方と方向性にベクトルを合わせて行われます。つまり、これまでバラバラに行われていた、あるいは行われていなかったコミュニケーションが、経営計画書を基軸に行われるようになるのです。
このコミュニケーションにおける主役はリーダーです。経営計画書の実践においても、評価の場でも、リーダーが主体的にコミュニケーションを指導していきます。リーダーが主体となり経営と現場を一体化する流れができれば、リーダーは指導者としてめきめきと鍛えられます。社長からも部下からも信頼されるリーダーが、早晩完成するでしょう。
以下の記事でA4用紙1枚で経営計画書を作る方法を詳しく解説しています。
経営計画書はA4用紙1枚でOK!10のステップに沿った作成方法
小さな会社はリーダーを人事評価制度で育てる
できあがった人事評価制度は、リーダーが主役となって運用していきます。これにより、リーダーには部下を正しく評価するための観察力や判断力、目標を推進するための管理能力が身につきます。また、評価面談などでコミュニケーション能力が身につく点も重要です。こうしてリーダーは、指導者としてぐんぐん成長していきます。
組織の成長を支えたリーダーの事例
組織の成長にとって、優秀なリーダーがいかに必要なのかは周知のとおりです。優秀なリーダーが育つためには、しっかりした経営計画書と人事評価制度が必要であるということを、私のクライアントの事例から読み取ってください。
1つ目は、人事評価制度の運用によって、原石が磨かれるようにパートさんがめきめきと成長したケース。もうひとつは、優秀なリーダーが辞めてしまったピンチに新制度を導入したことで、複数の頼もしいリーダーが誕生したケースです。
事例1:パートから常務へステップアップ
A社は雑貨の小売店。社長や幹部社員と、私が入念な打ち合わせを行い、新しい人事評価制度を作成しました。
会社の方針が変わったとき、多くのベテラン社員は「新しいこと」に苦手意識を感じがちです。ところが、最初はパート社員として入社し、ベテランとして一店舗の店長を任されていたOさんは、新しい人事評価制度に最初から順応してくれました。決められたルールに基づいて、全ての事項をきっちり実践してくれたのです。
さらに、私からのアドバイスを素直に受け入れ、即実行してくれる実行力も持ち合わせていました。素直さ、まじめさ、実行力。すべてにおいてブレのない一貫性を持った姿勢は、スタッフたちにも受け入れられ、だんだんリーダーとして成長していきました。
とはいえ、すべてが順調だったわけではありません。近くに強力な大手競合先が出店するという危機を、乗り越えなければなりませんでした。また、頼りにしていたスタッフが退職したり、頑張っても売り上げや利益に結びつかない時期があったりと、困難は数えきれないほどありました。
普通の人なら取り組みをあきらめてしまいそうな状況下にあって、Oさんは、まじめにコツコツ、徹底して継続・実践していきました。そしてリーダーとして徐々に頭角を現し、店長から常務へとステップアップ。会社にとって、なくてはならない存在になったのです。
彼女は言います。
「新しい人事評価制度が導入されると、会社の戦略やアクションプランを通じて、あらかじめやることとスケジュールが決まるようになりました。遅れる場合があっても、きちんとチェックし、実行するためにはどうしたらよいかを話し合って改善・推進していくため、確実に物事が先に進むようになりました。
また、評価基準に、その構築から実施まで自分自身がかかわることで、部下をどのように指導し、成長に導いていったらよいのかが明確になりました。というより、評価制度を運用しながら自分の役割をこなしていたら、勝手に部下が成長してくれるようになってきたというイメージです」
パート社員として入社したOさんが、常務にまで上り詰め、こんな分析ができるようになるとは、彼女自身も考えていなかったでしょう。
事例2:幹部社員の退社で利益が20倍に
B社は、大都市を拠点として建築関連の仕事を行う企業です。新しい人事評価制度がスタートしたとき、営業部の中心人物となっていたT部長が退職し、売り上げを大きく落としていました。T部長は唯一の営業専属で、多くの取引先とその情報を握っており、受注予定だった工事は彼が辞めることで次々とキャンセルになってしまったのです。
K社長はかなりのショックを受けましたが、すぐに「これもうちの会社の成長プロセスで、必然的に起こったことなのだ」と前を向きます。そして、新しいリーダーの成長に力を注いだのです。
K社長の想いに応えたのが、工事課長のHさんでした。Hさんは、大手建設会社からK社長のビジョンや理念に共感して入社してきた中途組です。経験を見込まれ、最初から役職を与えられていました。Hさんは、こう話します。
「何をもって部下の指導や指示をしていったらよいか、最初は迷っていました。そこに、すぐ経営計画書と評価制度ができて、本当に助かりました。
まずは経営計画発表会で、会社の目指すべき方向がはっきりわかりました。そして、評価基準作りに社長と一緒に取り組むことよって、私や社員たちに、社長が何を求めているかが明確になりました。それが明文化され、評価基準に落とし込まれているのだから、あとは基準に沿って仕事を全うし、部下の指導をするだけです。非常に、仕事がやりやすくなりました」
もともとHさんは面倒見がよく、部下からの相談に親身になって対応し、指導も丁寧に行っていました。それが評価制度を通じて、指導に一貫性が出て、部下の実力に応じた的確な目標設定と支援ができるようになったのです。部下からの信頼度が、上がらないわけがありません。Hさんは、今では戦略推進の中心的役割を果たしています。
また、B社では、Yさんという頼もしいリーダーも誕生しています。新しい評価制度の導入時にも、すでに次期リーダー候補として期待されていましたが、当時はリーダー養成のための指導がほとんどなされない状態。そこに新制度が導入され、リーダーとしてステップアップするために何が必要か、具体的に示されたのです。
もともと成長意欲が高かったYさんは、評価や面談を通じて明確になった課題に、自ら積極的に取り組んでいきました。そして、その課題を一つ一つクリアしていくことで、確実に成長していったのです。今では、Yさんは課長に昇進し、工事部門の統括者として活躍しています。
事例から学ぶダントツ企業の作り方
リーダー育成に取り組むことで付加価値が上がり、「ダントツ企業」になることができます。この章では、事例からどんなことが学べるかを解説しながら、リーダーを育てることによる思いがけない効果についてお伝えします。
会社によって「じっくり成果型」と「短期成果型」に分かれる
会社によって、成長の速度や内容はさまざまです。長期間運用しながら小さな変化を起こしてジワジワ成長していく「じっくり成果型」があれば、新しい制度を導入する前からリーダーの意識が変わり、導入直後から業績に結びつけられる「短期成果型」もあります。
私のクライアントは、どちらかのパターンに当てはまる場合がほとんどです。社長とリーダーの意思疎通があまり取れていないようなら、じっくり事を進めていった方がいいでしょう。夢やビジョンを常にリーダーへ語っておられる社長であれば、短期で成果が出る可能性があります。
改革の着手から成果に至るまでのスピードは、改革推進のための基礎ができているかどうかがポイントです。成果を急ぎすぎると逆効果になる場合もあるため、組織の状況に応じて進めてください。
社長自身の成長が組織の成長を実現する
組織の中で成長するのは、リーダーだけではありません。社長が成長することで、組織はどんどんレベルアップしていきます。事例でご紹介した企業の社長はどの方も、お会いした当初と比べ、客観的に見て格段に成長しました。
「組織は、トップの器以上には成長しない」という言葉があります。コップにいくら水を注いでも、容量を超えるとあふれ出てしまいます。それ以上の水を蓄えるためには、器を小さなコップではなく、大きなバケツにするしかないのです。
成長したリーダーの存在が顧客や取引先の評価を上げる
社長以外のリーダーが一人前に育っている会社は、顧客や取引先に一目おかれます。弊社では最近、入社4年目になる32歳のコンサルタントを取締役に昇進させました。いささか早すぎるかもしれないと思いましたが、驚くことに、素晴らしい反響がありました。
本人が訪問するクライアントでお祝いの言葉をいただくのはもちろん、私自身が担当しているクライアントの方からも「取締役の人が出たんですってね!」と行く先々で言われました。このように、関係先の反応と効果、本人自身の自覚と行動を考慮すると、十分以上に効果があったと私なりに満足しています。
事例の会社についても同様です。それぞれ、リーダーが成長することによって、取引先や顧客が、会社の将来性に期待を持ってくれているといいます。
「ヒト」が停滞していると会社は成長しない
会社は生き物です。創業後、自分自身の会社を12年半経営し、クライアントさんや周りの方々の会社を見てきて、そう確信しています。それは、会社組織が紛れもない「ヒト」で成り立っているからでしょう。
会社が成長できずに停滞しているのは、社長や幹部も含めた組織の中の「ヒト」が停滞しているためです。ある商品がヒットしたり、取引先の成長によって一時的に売上や利益が伸びたりしても、それに伴った人材の成長が実現できないと、元の状態に戻ってしまいます。人材が組織を生き物にし、成長させたり、縮小させたりしているのです。
会社の成長のために一番変わらなければならないのは、社長や幹部社員です。あなたが成長すれば、必ずや社員もついてきてくれるでしょう。
おわりに
テキトウリーダーのもとで育ついいかげん社員が集まれば、どんな会社になってしまうかは、火を見るよりも明らかです。しかし、テキトウリーダーにも、テキトウになってしまった理由はあります。それは、会社のせいかもしれません。
全社員が一つの目標に向かい、一丸となって邁進していくためには、優秀なリーダーの育成が欠かせません。そして人材の成長は、そのまま会社の成長につながります。理念実現のため、人事評価制度の見直しを行ってみませんか。