事例から学ぶ!「ビジョン実現型人事評価制度®」で女性の活躍が会社の原動力に
地元の誰もが知っている、憧れの地域一番店にまで上り詰めた会社があります。実はこの会社、10年ほど前は文字通りの「どん底」でした。
しかし「ビジョン実現型人事評価制度®」を導入してからとたんに輝きだし、女性が活躍する魅力あふれる会社へと変貌を遂げたのです。今回は、その取り組みをご紹介します。
シャッター通りで売り上げ半減、赤字続きのどん底だった
C社は、九州で小売店を展開する60名ほどの中小企業です。「ビジョン実現型人事評価制度®」を導入する前は、売り上げがピークのほぼ半分、お客様は減少し続け、赤字続きで債務超過の状態でした。賃金の支払いが遅れることすらあったのです。
このままでは、銀行にもお客様にも見放されてしまいかねない。常務の中塚さんも、「いつか潰れる」と不安だったといいます。
スタッフに熱意を伝え、人事評価制度をスタート
「ビジョン実現型人事評価制度®」の導入を決めたのは、まさにどん底のときでした。この評価制度の基盤となるのは、会社のビジョンと経営計画です。まずは会社の理念づくりからスタートし、悩みながら半年かけて「経営計画書」をまとめました。
当時、パート社員を含めて20名ほどだった全員を集めて経営計画発表会を行うと、不器用ながらも思いのこもった佐々木社長の説明に「社長の考え方がわかったので協力したいです」「会社の方向性がわかって、これからに期待が持てました」との声が、スタッフから多く聞かれました。
次は人事評価制度です。「キャリアチェックシート」というオリジナルの評価基準を作成し、仕事の役割を明確にしたうえで3ヶ月ごとの評価と育成面談に取り組みました。ここから、「ビジョン実現型人事評価制度®」の核となる「経営計画書」と「人事評価制度」、この2つの仕組みの運用を徹底しました。
売り上げが4倍になり、女性が活躍できる会社に
「ビジョン実現型人事評価制度®」の導入以降、業績はスタッフの成長とともに毎年伸び続け、現在では当初の4倍近くの売り上げになっています。最近ではメディアの取材が多く、つい先日も地元新聞で人事制度の取り組みが取り上げられました。見出しは、「やりがい、競争力向上、会社と従業員『一体感』」。
スタッフの男性は佐々木社長を含め2名だけです。中塚常務も、入社したときにはパート社員でした。「ビジョン実現型人事評価制度®」導入後の約10年で常務となり、今では会社になくてはならない人材となったのです。まさに女性が成長し、活躍する組織を実現した会社といえるでしょう。
計画性と継続性を身につけて会社が変わった
会社が変わった要因は、2つあります。1つは、中塚常務が中心となって決めたことを真面目に実践したこと。もう1つはあきらめずに徹底して実践したことです。
人材が成長して業績に反映するまでには、3~4年の期間を要しましたが、その間、中塚常務はあきらめずに徹底して評価のサイクルを実践し続けたのです。中塚常務は次のように語ります。
「正直、育成面談は大変でしたが、確実にステップアップしているスタッフがいるし、客観的なものさしで評価ができるようになったので、社員からの不満がほとんど出なくなりました」
社員からも「どう頑張れば評価されるかがわかった」という声が聞かれ、モチベーションに大きく貢献したことは間違いありません。
毎月のアクションプラン会議が計画性と継続性に結びついた
中塚常務は、成長の理由を次のように分析しています。
「私たちが成長できた要因は、ものごとに計画的に取り組み、推進できるようになったことと、継続できるようになったことです。それまで、新しい改善などに取り組む場合は、社長の思い付きで始まり、よいことでも継続できず、いつの間にか立ち消えになってしまうというパターンがほとんどでした」
今でも毎月開催している経営計画書を推進するためのアクションプラン会議が、この計画性と継続性に結びついたことは間違いないでしょう。最初は発言もほとんどなかったのですが、回を重ねながら少しずつ改善への取り組み方を学び、レベルアップしていったのです。
おわりに
佐々木社長は「中塚常務のおかげで、自分も経営者として新しいことへチャレンジできるようになりました」といいます。中塚常務もまた、「幹部や店長に仕事を任せられるようになり、自分もいろんな情報を取りにいける」と感謝しています。
まさに、「ビジョン実現型人事評価制度®」を通じたリーダーの成長が、会社の成長の原動力となった実例といえるでしょう。
*記事中の登場人物は全て仮名です。