中小企業の社長から人材に対する悩みが消えることはありません。
その内容やレベルは各社さまざまですが、根っこにある課題は共通したものです。それは「社員が思い描くとおりに成長してくれない」ということに集約されます。
強力な商品があっても、売れる仕組みが確立できても人材が育っていなければ企業の成長には限界があります。中小企業の最も苦手とする部分です。この”人材育成”という厚いハードルを突破できた企業だけが強い企業組織を確立することができるのです。
11年間、中小企業専門に人材育成の仕組みづくりに関わってきた著者が、そのハードルを乗り越え、企業を成長、発展させる方法をご紹介させていただきます!
一方、中小企業の社員に焦点を当ててみると、どんな会社でも「まじめ」に「一生懸命」頑張っている人がほと
んどです。では、なぜ「一生懸命」「まじめ」に頑張っている社員が成長しないのでしょうか、結果が出せないのでしょうか。よく考えると、矛盾していますよ
ね。私も不思議に思って、クライアント企業を中心に、徹底して原因の分析・究明を行いました。
結果、その原因はたった2つに集約されるということがはっきりしたのです。この2つの原因を解決すれば、人材が自動的かつ継続的に育ち、成長、発展しつづける組織をつくりあげることができるのです。
本書では、その考え方とこの課題を根本的に解決する仕組み、「ビジョン実現型人事評価制度®」の導入と運用の手順を、中小企業でも導入しやすいように具体的な事例を紹介しながら丁寧に解説しました。
では、中小企業の社員はみんなもともと実力がないのでしょうか?!
「中小企業には所詮、優秀な人材は来てくれないからしょうがないよ」と片付けてしまう社長もいますが、私は決してそうは思いません。彼らの実力は活かされずに、眠ったままになっているのです。
企業の最大・最高の資産である『ヒト』の隠れた能力を引き出す仕組み。これが「ビジョン実現型人事評価制度®」です。『モノ』や『カネ』では決して大手に勝つことができない中小企業は『ヒト』で勝つしかないのです。さあ、あなたの会社の価値の最大化に向けて、本書を読んでできるところから取り組んでください。
「また社員が辞めてしまった!」
「非常に優秀で、これからを期待していた人材だったのに…、残念だ。なぜウチは優秀な人ほどすぐやめてしまうんだろう………」
こんな悩みを抱える中小企業がたくさんあります。私ども日本人事経営研究室では、新しい人材の募集広告を出すと、2、3週間で150人~200人の応募があります。
「会社のビジョンが明確でない」
「今の会社にいても自分が成長できない」
「発展性のない会社の将来に対して、他の仕事でチャレンジしたい」
「会社の方針に一貫性がなく、何をやりたいのかわからない」
採用面接をした人から聞いた前職をやめようとする理由です。採用候補者のほとんどがどれかに当てはまっていました。
もし、面接を受けにきた人たちが勤めている会社が、これまであげてきた中小企業が抱える問題に着手していれば、人材の流出を止めることができたと思いませんか?
会社のビジョン・方針・戦略の明確化、継続的な人材教育、これらがなければ優秀な人材から会社を去っていきます!
いつまでもムダな人材採用費や研修にお金を使い続けるつもりですか?
中小企業もそろそろ、本気で人材と組織に投資をしていかなければ、優秀な人材はすべて大手企業に取られてしまいます。いや、投資をしている企業に取られてしまうといった方が正しいでしょうか。
就職のミスマッチが社会問題化していますが、私は、応募者側だけではなく、会社の魅力を伝えきれていない中小企業の責任だと思っています。
「『一生懸命』で『まじめ』」
多くの中小企業の社員は、この二つの長所をもっているものです。
では、ここで質問です。
「あなたの会社の『一生懸命』で『まじめ』な社員は社長の思惑通りに成長していますか?成果を上げていますか?会社に利益貢献していますか?」
「『稼げる』人材ですか?」
「NO!」という答えの社長が多いはずです。
でもなぜでしょうか。よく考えると不思議ですよね。
だって、「一生懸命」で「まじめ」な社員が成長しないなんて!
実は、「一生懸命」な「まじめ」社員が成長していた時代がありました。
いわゆるバブル崩壊前までで、日本の経済が成長し続けていた時代です。この時代はむしろ、「一生懸命」な「まじめ」社員の方がもてはやされる時代でもありました。
簡単にいうと、市場そのものが拡大していたので、決められたルールや仕組みのもとで「一生懸命」「まじめ」にやっていれば、おのずと成果につながっていたのです。
「不真面目」な「型破り」社員よりも会社では評価されていたのです。
しかし、バブル崩壊を境に状況は一転、市場規模が縮小している業界ばかりで、業界内の会社全体が成長できるといったことは不可能となりました。
こうなると、「一生懸命」「まじめ」にこれまでと同じようにルールどおりにやっていても成果にはつながりません。「不真面目」でも、「型破り」な発想の戦略やアイデアで独自性を打ち出せる社員の方が成果が上がるようになってきたのです。
しかし、中小企業に、もともと発想力や企画力が優れた社員ばかり来てもらうのは至難の業です。
では一体どうしたらよいのでしょう。
この問題を根本的に解決できるのがビジョン実現型人事評価制度®なのです。
「一生懸命」な「まじめ」社員を『稼げる』人材に変える仕組み
1 なぜ会社の業績はなかなか改善されないのか
2 強みが活かされていない残念な中小企業の社員たち
3 『稼げる』人材を育てる「ビジョン実現型人事評価制度®」
4 導入!「ビジョン実現型人事評価制度®」
1 経営ビジョン発表会は4Cで社員の心をつかむ
2 失敗しない経営ビジョン発表会の進め方
1 まずアクションプランを作成する
2 アクションプランの推進を仕組み化
1 評価者研修で評価と面談のポイントをチェック
2 不具合を最小限に抑えるためのトライアル評価
1 評価制度の運用は10のステップを確実に実行
2 全社員の評価決定会議を毎回必ず実施する
3 育成面談が人材成長のポイントとなる
4 チャレンジ制度の活用が成長を決める
5 プロジェクト成功のカギを知る
日本人事経営研究室株式会社代表取締役。
1966年福岡県飯塚市生まれ。成蹊大学卒業後、福岡の大手地方銀行入行。新規開拓専任者として活躍し、行内No.1の実績を残す。銀行退職後、コンサル
ティング会社立上げを経験し、独立。2001年の創業以来増益を続け、人事評価制度専門コンサルタントとしてオンリーワンの地位を築く。
人事評価制度改革に関わった、250社超のコンサルティング実績を活かして独自の運用理論を確立。人事評価制度の運用に失敗した企業の”駆け込み寺”的存在となっている。
自社においても戦略的経営と短期間でのコンサルタント育成を実践し、業界平均2.5倍の生産性を誇る。同業者からも注目され、全国から指導依頼が寄せられる人気コンサルタントである。